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2016 Fiscal Year Research-status Report

網羅的な遺伝子発現のメタ解析による悪性脳腫瘍の分子標的治療薬の探索

Research Project

Project/Area Number 16K18466
Research InstitutionNational Cancer Center Japan

Principal Investigator

喬 志偉  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (80759944)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords悪性脳腫瘍 / 分子標的薬 / 適応拡大
Outline of Annual Research Achievements

悪性脳腫瘍は極めて予後不良の疾患である。その中最も悪性な膠芽腫は、5年生存率は10%未満である。外科手術、放射線、化学療法や免疫療法を組み合わせて治療するのが一般だが、治療技術の進歩にもかかわらず、他の臓器のがんと比べて悪性脳腫瘍の治療が困難である。分子標的薬を含めた新規治療法の開発が急務である。我々は既存の薬剤から悪性脳腫瘍に有効な治療薬の探索を目的とした。いままで2つのアプローチを用いて研究を進んだ。一つは、Connectivity Mapによって悪性脳腫瘍に有効な治療薬の探索。もう一つは、既存の抗がん剤を対象に網羅的な薬剤スクリーニングにより悪性脳腫瘍の治療薬の適応拡大。本年度は、WHO(World Health Organization)の悪性脳腫瘍の分類を基に、悪性脳腫瘍の遺伝子発現データを組織型ごとに公的な遺伝子発現のデータベース (Gene expression onminbus, GEO)で調べた。同時に、サンプルに付随するデータの精度を原著論文で確認し、結果をカスタム・データベースにまとめている。現在、主な25種類の悪性脳腫瘍のデータを整理した。これらの遺伝子発現データを用いてメタ解析を行い、治療標的となるターゲット分子の同定を試みた。また、118剤の既存の抗がん剤を対象に、自動薬剤分注機で薬剤スクリーニングを行った。脳腫瘍培養細胞の増殖を抑制する薬剤を同定した。同定された薬剤の悪性脳腫瘍細胞の細胞増殖のIC50値を調べ、報告された既存の脳腫瘍治療薬の細胞増殖抑制率と比較した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

新規治療薬の開発には、Connectivity map を用いた解析法がよく使用される。低分子化合物ライブラリをがん細胞株に作用させた遺伝子発現データベースとオンラインの解析ツールから解析をスタートする。具体的に、発現上昇遺伝子群、発現下降遺伝子群の2つの遺伝子リストを入力する。データベースの中の各化合物による遺伝子発現量の変化に対してパターンマッチングが行われ、候補化合物を選別する。Connectivity Mapによる化合物ライブリーから悪性脳腫瘍の治療薬を探索する際に、遺伝子発現のデータに付随する臨床病理情報を原著論文から整理しなければならない。我々は、より精度がいいデータを取得するため、Linuxシステムを用いてプログラミングを行い、情報検索のプロトコールを作成した。メタデータの一部はコンピューターを使って整理した。そのため、データに付随する臨床病理情報の整理は計画より速く進んだ。また、既存薬の適応拡大の実験に対して、当初の計画がなかった自動分注機を用いた薬剤スクリーニング実験系を導入した。384プレートを使って、180剤の薬剤スクリーニングは一度で済むシステムを構築した。以上のことにより、進歩状況は当初の計画以上に進展している。

Strategy for Future Research Activity

悪性脳腫瘍の遺伝子発現データを組織型ごとに整理し続ける。具体的に、公的な遺伝子発現データベースからメタデータを組織型ごとに調べ、サンプルに付随する詳細な臨床病理情報を原著文献で確かめる。整理したデータをまとめ、カスタム・データベースの構築を続ける。Connectivity map解析に使用するデータセットの整備を行い、悪性脳腫瘍細胞増殖を抑制する薬剤を選別する。選別された薬剤のin vitro及びin vivoでの抗腫瘍効果を調べる。さらに、薬剤の細胞抑制の作用機序を解析する。薬剤スクリーニング実験に関して、現在の薬剤自動薬剤分注機のプコトコールで実行しながら、より良い、ハイスループットの実験系を構築する。見出した候補の抗がん剤の作用機序も調べる予定である。

Causes of Carryover

平成28年度の悪性脳腫瘍細胞を用いた薬剤の細胞増殖抑制実験に掛かる物品費が当初の計画ほど掛からなかったため、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成28年度に発生した次年度使用額は、悪性脳腫瘍細胞の増殖を抑制した候補な抗がん剤の作用機序を解明するための物品費として使用する予定。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Funded Workshop (1 results)

  • [Funded Workshop] 10th Central and Eastern European Proteomic Conference2016

    • Place of Presentation
      Budapest, Hungary
    • Year and Date
      2016-10-10 – 2016-10-16

URL: 

Published: 2018-01-16  

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