2016 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖合成におけるドリコールリン酸マンノース供給メカニズムの解析
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16K18522
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
山田 健之 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40725199)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | O-マンノース型糖鎖 / POMGnT1 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜上のタンパク質に存在するO-マンノース型糖鎖は細胞外基質と結合することで、筋肉などの形成に重要な役割を担っていることが考えられているが、その詳細なメカニズムは解明されていない。O-マンノース型糖鎖の形成に重要な糖転移酵素POMGnT1はマンノースにGlcNAcを修飾する酵素であり、変異があると先天的に筋肉や眼、脳に異常がみられる筋-眼-脳病(MEB)が発症することが知られている。これまでにこのPOMGnT1の変異のタイプにより、MEBだけではなく、網膜色素変性症を引き起こすことも明らかにしてきた。 POMGnT1はCore M1構造を作る酵素であることが知られているが、一方でPOMGnT1は細胞外基質と結合するCore M3構造の合成にも関与していると推測されてきた。今回、このPOMGnT1が糖鎖を修飾する以外の機能によりCore M3の合成に関与していることを示した。点変異を入れたPOMGnT1を発現させた細胞のCore M3の合成量を調べた結果、POMGnT1の触媒ドメインに変異をもつ変異体だけでなく、ステムドメインに変異を持つ変異体でもCore M3の量を減少させることが明らかになった。また、POMGnT1のステムドメインが特定の糖鎖との結合能が高いことも明らかになった。さらに、POMGnT1は他のCore M3の合成に必要な糖修飾酵素と結合することが報告されている。以上より、Core M1を合成したPOMGnT1は、近傍で合成中のCore M3と結合し、Core M3の合成に必要な酵素の足場となることで、細胞外基質との結合に重要なCore M3 O-マンノース型糖鎖の合成に関与していると考えられる。この発見はMEBなど糖鎖異常が原因である先天性筋ジストロフィー症の病態解明や、治療法の開発に活用されることが期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Carbohydrate-binding domain of the POMGnT1 stem region modulates O-mannosylation sites of α-dystroglycan.2016
Author(s)
Kuwabara N, Manya H, Yamada T, Tateno H, Kanagawa M, Kobayashi K, Akasaka-Manya K, Hirose Y, Mizuno M, Ikeguchi M, Toda T, Hirabayashi J, Senda T, Endo T, Kato R.
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences
Volume: 113(33)
Pages: 9280-9285
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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