• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2016 Fiscal Year Research-status Report

長時間飢餓におけるオートファジー停止機構の解明

Research Project

Project/Area Number 16K18539
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

吉良 新太郎  大阪大学, 歯学研究科, 助教 (10711583)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywordsオートファジー / TORC1
Outline of Annual Research Achievements

オートファジーは一過的な飢餓により誘導される、細胞の飢餓応答プログラムの一つである。申請者らは、細胞が長時間の飢餓に陥った際、オートファジーが停止することを見いだし、それに関わる機能未知タンパク質Tag1を発見し、本課題ではその機能解析を進めて来た。
研究計画に基づき解析を進めた。膜タンパク質であるTag1のC末端側液胞内腔ドメインの部分欠損体を用いた解析により、1.Tag1のC末端側がそのオートファジー停止に必要であることが分かった。Tag1は飢餓により輝点を形成するが、その輝点形成にもTag1のC末端が必要であることが明らかになった。オートファジーはTORC1( Target Of Rapamycin)キナーゼによるAtg13のリン酸化により制御されているが、Tag1がこのリン酸化に影響を与えるか、Atg13のリン酸化抗を用いて調べた。その結果、2.この抗体により認識されるリン酸化部位に、Tag1は影響を与えないことが分かった。オートファジーは、TORC1以外にPKA (protein Kinase A)により制御されていることが分かっており、このことからTag1がPKA活性に影響を与える可能性を検討した。PKAの基質であるCki1のリン酸化を指標にこのことを調べた結果、3.PKA活性にTag1は影響を与えないことが分かった。TORC1はGtr1-Gtr2 により制御されているが、4.この経路もまたオートファジーの停止に関与しており、さらにTag1とは別の経路であることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

申請書の研究計画に沿って研究を展開し、おおむね順調に研究が進展している。
当初の研究計画の通り、Tag1のドメイン解析を行い、液胞内腔ドメインがオートファジーの停止に必要であることが分かった。また、当初の研究計画にはなかったが、Gtr-TORC1経路がオートファジーに関与している可能性が想起されたため、これを解析した。その結果、Tag1とは独立した経路で、Gtr経路がオートファジー停止を駆動していることが明らかとなった。

Strategy for Future Research Activity

Tag1の分子メカニズムのさらに詳細を明らかにする。
細胞を飢餓にさらした際に形成されるTag1の輝点がオートファジー停止に重要であることが想定された。そこで、この輝点形成時にTag1に結合するタンパク質がオートファジー停止に重要である可能性が考えられる。Tag1結合タンパク質を同定するため、質量分析計を用いた結合タンパク質の探索を行う。東京工業大学大隅良典教授のグループとの共同研究で、サンプリングと解析の技術協力を得る予定である。オートファジーの制御に関わるAtg13のリン酸化部位は2種類報告されており、一つは既に検討したが、残りの一つの解析を行う。

Causes of Carryover

研究に汎用したオリゴDNAの価格が、交渉により引き下げられたため、研究費を節約することができた。また、研究に使用した抗体の使用量が想定より少なく、また研究室に元々あったストックを使用することで研究費が節約できた。汎用消耗品を発注する業者を見直し、値引き幅の大きい代理店に発注することで経費を節減した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

Tag1の抗体作成を外注するのに用いる。ユーロフィンジェノミクス株式会社に受注する予定である。抗原は自作する。国際会議での発表を積極的に行い、その旅費に用いる。具体的には、28th International Conference on Yeast Genetics and Molecular Biology, 2017年8月、プラハ、チェコ共和国、に参加する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2017 2016

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] オートファジー終結因子Tag1の解析2017

    • Author(s)
      吉良新太郎
    • Organizer
      酵母研究若手の会 第3回研究会
    • Place of Presentation
      京都府宇治市京都大学宇治キャンパス
    • Year and Date
      2017-03-16 – 2017-03-17
  • [Presentation] オートファジー終結因子Tag1の解析2017

    • Author(s)
      吉良新太郎
    • Organizer
      A3オートファジー合同セミナー
    • Place of Presentation
      福島県福島市ザセレクトン福島
    • Year and Date
      2017-03-10 – 2017-03-10
  • [Presentation] オートファジー終結因子Tag1の解析2016

    • Author(s)
      吉良新太郎
    • Organizer
      第4回新学術オートファジー班会議
    • Place of Presentation
      新潟県越後湯沢市NASPAニューオータニ
    • Year and Date
      2016-11-14 – 2016-11-16

URL: 

Published: 2018-01-16  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi