2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification and functional elucidation of the causative gene of the murine temperature-sensitive mutants which display unique cell-division phenotypes.
Project/Area Number |
16K18540
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
柏葉 脩一郎 東京理科大学, 基礎工学部生物工学科, 助教 (40735461)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞分裂 / 細胞質分裂 / 温度感受性変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類の細胞分裂における染色体分配や細胞質分裂の不備は、ゲノムの不安定化や細胞のがん化を引き起こす。従って、その詳細を理解することは、生物学的にも医学的にも重要である。本研究では、制限温度(39℃)下において細胞分裂に失敗するマウス温度感受性変異株を用いることにより、哺乳類細胞における細胞分裂機構の理解を深めることを目的としている。 前年度までに、tsFT50細胞とtsFT101細胞の原因遺伝子としてDiaph3を同定した。そこで最終年度では、この遺伝子の機能について更なる解析を行った。前年度から行っていた変異型Diaph3の生化学的解析については、大腸菌を用いた部分タンパク質の精製過程においてカラムから溶出されない等の問題を抱えていたが、哺乳類細胞を用いることで全長型としてタンパク質を取得することに成功したが、解析するまでには至らなかった。また、Diaph3には構造の良く似たファミリーとしてDiaph1, Diaph2が存在するが、これらを発現させてもtsFT101細胞は温度感受性から回復しなかったことから、Diaph3特異的な寄与が存在することがわかった。そこで、Diaph3の様々な部分欠損タンパク質を発現させたところ、N末端側にtsFT101細胞の表現型を改善させるために重要な領域が存在することがわかった。また、Diaph3の欠損細胞では、Aurora Bのスピンドルミッドゾーンへの局在に不備が生じやすい傾向が見られ、Diaph3がAurora Bの局在を介して細胞質分裂に関与している可能性が示唆された。本成果については現在、論文投稿準備中である。また、tsFT74細胞については、エクソーム解析に続きRNA-seqによる遺伝子発現の網羅的解析も実施したものの、目立った遺伝子の発現変化は認められず、温度感受性の原因遺伝子を同定するには至らなかった。
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Research Products
(2 results)