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2016 Fiscal Year Research-status Report

鳥類の水かきをモデルとした収斂進化のゲノム基盤の解明

Research Project

Project/Area Number 16K18555
Research InstitutionNational Institute of Genetics

Principal Investigator

関 亮平  国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 特別研究員(PD) (40746624)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords発生 / 四肢 / 並行進化 / 鳥類
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題の目的は、鳥類に属する分類群間で見られる形態差のゲノム基盤を明らかにすることである。具体的には、鳥類の多系統群で見られる水かきに着目し、水かきをもつ鳥ともたない鳥の違いをゲノムの中に見出すことを目標とする。
アヒルの水かき形成には、BMP阻害分子Gremlinによる指間部の細胞死抑制が重要であることが既に明らかとなっている。まずこの検証実験を自らの手でおこなうと共に、異なる分類群に属するペンギンにおける水かきの形成過程の解析を実施し、両者を比較することとした。その結果、ペンギンにおいてもアヒルと同様に指間部で細胞死が抑制されているいることが明らかとなった。その一方で、Gremlinの発現に関しては、ペンギンだけでなく、既に報告されていたアヒルにおいても明瞭な発現が観察されなかった。過去の知見との齟齬を解消し、かつ、他のBMP関連因子の発現状態を網羅的に比較するために、当初の予定を変更し、水かきをもつアヒル・ペンギンと水かきをもたないニワトリの3者でRNA-seq解析を実施することとした。現在、アヒルおよびニワトリのサンプル調製は完了し、シークエンス解析中である。ペンギンに関しては、産卵の不調から当初の予定通りに有精卵を得ることができず、シークエンスまで至っていない。これらの研究と並行して、水かきの有無と相関するゲノム配列を特定するために、既に公開されている48種の鳥のゲノムデータを元に比較解析をおこなった。こちらに関しては現在解析途中であり、次年度の早い段階での完了を目指している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の予定を変更してRNA-seqを実施するという判断は早期に下したものの、ペンギンの産卵が例年通りとはいかず、また鳥インフルエンザの影響もあり、年度末になりようやく有精卵が得られるようになった。不可抗力ではあるものの、当初の計画よりも若干遅れていると判断せざるを得ない。

Strategy for Future Research Activity

年度末に十分な数のペンギン卵が得られたため、次年度の早い段階でRNA-seq用のサンプル調製が完了する見込みが立っている。その後すぐにシークエンス解析を実施し、ニワトリ・アヒルのデータと比較することで、発現差のある遺伝子を探し出す予定である。得られた候補遺伝子に関しては、in situ hybridization法を用いて時空間的な発現パターンを詳細に解析し、種間比較をおこなう。候補遺伝子を絞り込んだら、当該遺伝子の機能を亢進あるいは抑制する実験をおこない、水かき形成にどのような影響があるかを評価することを通じて原因遺伝子を特定する。これらの解析は、基本的には鳥類胚を用いておこなう予定であるが、必要に応じてトランスジェニックマウスやノックアウトマウスを作成することで遺伝子の機能を調べる。
比較ゲノムに関しても引き続き解析を実施し、水かきの有無と相関する配列を絞り込む。上記の解析で明らかになるであろう原因遺伝子の周辺領域には特に注意を払い、その遺伝子の発現差を生み出す制御配列の特定を目指す。
これらの解析を通じて、水かきの原因遺伝子だけでなくその発現を制御するシス制御配列まで明らかにする。アヒルとペンギンの間で水かきの作り方がどれだけ同じか(あるいは違うのか)を明確にすることで、並行進化のゲノム基盤に迫る。

Causes of Carryover

解析費用の大きいRNA-seqを年度内に完了できなかったことが最大の理由である。これに付随して、ニワトリやマウスへの遺伝子導入実験も次年度に繰り越すこととなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

RNA-seqに関しては既に解析完了までの目処が立っているため、繰り越した研究費を当初の目的通りこれに充てる。また、RNA-seq解析が完了した段階で、今後解析対象とすべき遺伝子群が特定され、実施すべき研究内容も連鎖的に確定していくことが予想される。これらの実験に予算の大部分を当てることになると計画している。また、研究費の一部は論文や学会発表に係る費用として使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] Researchmap

    • URL

      http://researchmap.jp/SEKI-R_CV

URL: 

Published: 2018-01-16  

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