2016 Fiscal Year Research-status Report
植物細胞増殖を制御する転写―RNA代謝カップリング機構の解明
Project/Area Number |
16K18569
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大谷 美沙都 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (60435633)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | RNA代謝 / pre-mRNAスプライシング / 細胞増殖 / 転写制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. RNA代謝異常のセンシングと分子情報化の実態解明 pre-mRNAスプライシングに関するシロイヌナズナ温度感受性変異体srd2-1およびrid1-1の温度依存的スプライシング異常を明らかにするため、胚軸脱分化時のRNA-seqデータ解析を行い、両変異体でスプライシング異常となっている遺伝子情報の取得に成功した。さらに、スプライシングイベントレポーター遺伝子を用いたスプライシング阻害剤の処理濃度検討を行い、阻害剤濃度依存性にスプライシングイベントが阻害されることを明らかにした。また、核内構造体レポーターや植物スプライシング因子およびRNAポリメラーゼに対する特異的抗体の準備を進めた。 2. 転写-RNA代謝カップリング制御と細胞増殖制御のリンクの解明 srd2-1およびrid1-1変異の下流で発現異常を起こしている転写因子のノックアウト変異体とsrd2-1およびrid1-1の二重変異体について、srd2-1およびrid1-1で見られるカルス形成、不定根形成、側根形成、シュート形成の阻害に対する影響を調べた。この結果、転写因子変異によってこれらの器官再生表現型がある程度回復することが分かり、srd2-1およびrid1-1で見られる器官再生異常が、同定した転写因子の発現異常で一部説明できる可能性が示された。さらに共同研究によって、同定した転写因子以外にもsrd2-1およびrid1-1の器官再生不全に関わる可能性のある転写因子を見出すことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでのところ計画通りに進めることができており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1. RNA代謝異常のセンシングと分子情報化の実態解明 srd2-1およびrid1-1変異、あるいはスプライシング阻害剤処理によって、核内構造体やスプライソソーム、またRNAポリメラーゼ動態がどのような影響を受けるのかを、レポーターや抗体を用いて経時的に解析する。また、こうした変化がどのように同定した転写因子の発現異常を引き起こしているのか、分子レベルで明らかにする。 2. 転写-RNA代謝カップリング制御と細胞増殖制御のリンクの解明 同定した転写因子の誘導的過剰発現体を用いてRNA-seq解析を行い、転写因子が制御している下流因子を明らかにする。さらに、共同研究から明らかになってきた他の下流転写因子との多重変異体作製を進め、RNA代謝異常時にどのような転写因子がどのような機能を果たしているのかについて、詳細な分子情報を取得する。
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Causes of Carryover |
購入予定の消耗品(核酸増幅酵素)の納品が年度内に間に合わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越となった次年度使用額分は予定通り消耗品(核酸増幅酵素)の購入に充て、その他は当初の計画書通り、使用する予定である。
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[Journal Article] Double-stranded RNA-binding protein DRB3 negatively regulates anthocyanin biosynthesis by modulating PAP1 expression in Arabidopsis thaliana.2017
Author(s)
Sawano H, Matsuzaki T, Usui T, Tabara M, Fukudome A, Kanaya A, Tanoue D, Hiraguri A, Horiguchi G, Ohtani M, Demura T, Kozaki T, Ishii K, Moriyama H, *Fukuhara T
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Journal Title
Journal of Plant Research
Volume: 130
Pages: 45-55
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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