2016 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
16K18604
|
|---|
| Research Institution | Hiroshima University |
|---|
Principal Investigator |
片桐 知之 広島大学, 理学研究科, 助教 (60714863)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
| Keywords | ムクムクゴケ科 / コケ植物 / タイ類 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではムクムクゴケ科（コケ植物タイ類）の全種（約５０種）を対象にした分類学的研究を通して、ムクムクゴケ科の多様性と系統関係の解明を目的としている。本研究により陸上植物の原始的な系統であるコケ植物の基盤情報の確立、コケ植物タイ類の多様性・系統関係の全容解明と科レベルでの総合的な比較が可能となり、進化に伴う形態の変遷過程（特に毛状葉の獲得過程）の解明と分類群ごとの偏りの少ない遺伝情報を用いた分岐年代推定が可能となり陸上植物全体の進化学的研究への発展が期待できる。
平成２８年度は前述した目的を達成するために熱帯アメリカ及び南米産種の分類学的再検討を行った。特に新種記載時に使用された基準標本を国外の研究施設から借用して形態観察を行い、各種の形態情報と詳細な解析図を得るとともに各種について分類学的議論を行い近縁種との形態的な違い（外部形態・内部形態・微細形態）を明らかにした。さらに各種の形態変異の範囲を見極めるとともに詳細な分布域と生育基物などの生態学的情報を得た。また、これらの研究を通して論文（英文５報）発表及び国内・国際学会での発表（２件）を行うなど積極的に研究成果を公表した。今後はこれらの研究手法を継続して行い、未だ分類学的実体が明らかにされていない南米産種および他地域の種に関しても研究を進める。さらに今後はできる限り多くの種を対象に分子系統学的解析を行うことで種間の系統関係に関する情報を得て議論を深める。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成２８年度の進捗状況はおおむね順調である。平成２８年度は当初の計画通り順調に研究成果を得ており、論文（英文５報）発表及び国内・国際学会での発表（２件）を行うなど積極的に研究成果を公表することができている。
|
| Strategy for Future Research Activity |
平成２９年度からは平成２８年度までの研究を継続し、特に北米・オセアニア・東南アジア産種の分類学的再検討を行う予定である。また、研究期間を通して分子系統学的研究解析に用いる生鮮試料の採取に努める。
|
| Causes of Carryover |
平成２９年度から所属を移動することになり、新しい所属先で購入が必要な物品が多数予想されたため平成２８年度の支出を抑え、未使用分を平成２９年度以降に使用することにしたため。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成２８年度の未使用分は研究は平成２９年度以降の物品費などに充てる計画である。
|
-
-
-
-
-
[Journal Article] World checklist of hornworts and liverworts2016
Author(s)
Soederstroem L., Hagborg A., von Konrat M., Bartholomew-Began S., Bell D., Briscoe L., Brown E., Cargill D.C., Costa D.P., Crandall-Stotler B.J., Cooper E.D., Dauphin G., Engel J.J., Feldberg K., Glenny D., Gradstein S.R., He X., Heinrichs J., Hentschel J., Ilkiu-Borges A.L., Katagiri T. et al.
-
Journal Title
PhytoKeys
Volume: 59
Pages: 1-828
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
