2019 Fiscal Year Annual Research Report
Embryological study on proturan brain: groudplan and evolution of Hexapoda
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16K18605
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
福井 眞生子 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 講師 (90635872)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 食道下神経節 / 食道上神経節 / 前大脳 / 中大脳 / 後大脳 / 二光子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続き、Baculentulus densus のカルチャー維持と回復に取り組みつつ、形態学的データの収集と解析を行った。その結果、1)後期胚(ステージ9)時点で前胸神経節と食道下神経節間の融合はまだみられないこと2)後期胚の時点で食道下神経節に含まれる各顎部神経節間の融合はすでに完了し、分節は確認できないこと、3)後期胚の食道上神経節において、外胚葉の陥入を伴う特徴的な神経形成がみられることが明らかとなった。また、食道上神経節においては、胚発生期において初めて明瞭な中大脳・後大脳領域の境界が見出された。前大脳が大きく発達するのに対し、中大脳・後大脳はわずかな膨らみとしてしか観察されず、カマアシムシ目においてこれらの脳領域の発達が極めて弱い可能性が示唆された。これらの領域の詳細については、さらに発生を遡り、頭蓋の形成以前の胚発生を観察する必要がある。そこで、発生中期から後期のステージの準薄切片観察を目指し作業を行った。しかし、染色液が浸透・発色せず、データの取得には至らなかった。脳構造の三次元的な理解には準薄切片観察が欠かせないため、固定およびその後の処理法の改良を行っている。一方で、準薄切片観察に代わる観察法として、蛍光染色試料の二光子顕微鏡ホールマウント観察を試行し、良好な結果を得た。現在、これらの手法による追加データの取得を行いつつ、これまでの脳構造の形態学的なデータをまとめ、論文としての発表を目指し、準備を行っている。
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