2017 Fiscal Year Research-status Report
DNAバーコーディングによる種同定を利用した、熱帯林の主要な種子散布者評価の試み
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16K18619
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 大和 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (70533595)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ジャワルトン / マレーヒヨケザル / 種子散布 / 糞虫 / 糞分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2017年8・9月、10月、2018年2・3月の合計3回インドネシアに渡航して、西ジャワ州・パガンダラン自然保護区で野外調査を実施した。野生霊長類(ジャワルトン・カニクイザル)の採食行動を観察したほか、この森林に生息するマレーヒヨケザルを捕獲して3個体に電波発信機を装着し、彼らの行動圏利用と活動時間配分を調べた。種子散布に関連する調査として、ジャワルトンの糞に集まる糞虫類を採集し、ボゴール農科大学の研究者とともに種同定を行った。今後はこの情報を基に、糞虫類の二次散布者としての機能を明らかにしていく。2018年3月の調査では、共同研究者からの依頼で霊長類が採食する果実類を採集した。以上の調査と並行してボゴール農科大学の大学生を指導し、ジャワルトンの基礎生態に関するデータを充実させるとともに、適宜共同研究者と研究連絡を行って情報を共有した。 2017年17月にオーストラリア・パースで開催された国際哺乳類学会、9月に富山で開催された日本哺乳類学会、10月にボゴールで開催された先端拠点形成事業シンポジウムに参加して複数回の発表を行い、種子散布に関する研究成果の一部を発表した。年度内に、本研究に関連した学術論文を2編(ジャワルトンの種子散布についてと、マレーヒヨケザルの大量死についての報告)公表したほか、専門書で成果の一部(パガンダラン自然保護区のカニクイザルによる生魚の採食行動について)を紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の野外調査は計画通り乾季(8・9月)と雨季(2・3月)の2回実施することができ、種子散布に関する定量的なデータが集まりつつある。学会での研究成果の発表と論文の公表も着実に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度(平成30年度)も、昨年度と同様に雨季と乾季に野外調査を行い、種子散布に関するデータの収集を進める。並行して関連学会で研究成果を発表し、その成果を基に学術論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
消耗品費が当初の見込みより若干少なかったため。
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Remarks |
研究代表者のホームページ
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Research Products
(12 results)