2018 Fiscal Year Annual Research Report
Is crop ideotype applicable to the high-yielding ability of wheat?
Project/Area Number |
16K18644
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
笠島 真也 東京農業大学, 生物産業学部, 准教授 (30564463)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コムギ / きたほなみ / 草型 / 多収要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道における秋播性コムギの基幹品種「きたほなみ」の多収要因として、葉身が直立葉であるために乳熟期以降に乾物生産が高く維持されることが挙げられる。葉身角度は複数年の定量評価をする必要がある。そこで本年は、予備試験も含めた4作期にわたって「きたほなみ」と「ホクシン」の止葉について葉身角度を調査した。開花期と乳熟期に生育中庸な稈5本について止葉の葉身角度を調査した。葉身角度は水平面に対する角度とし、葉身の基部、中央部、先端部をデジタルアングルメーターを用いて測定した。止葉の葉身角度は、各品種における4作期の平均値をみると、「きたほなみ」では開花期、乳熟期ともに基部から中央、先端にかけて角度がやや小さくなるものの、大きな差はみられなかった。一方、「ホクシン」では基部から先端にかけて角度が大幅に小さくなり、葉が下に向かって大きく垂れ下がることを示した。また、葉身角度の年次間差は、「きたほなみ」が「ホクシン」よりも小さかった。分散分析の結果をみると、開花期と乳熟期における止葉の葉身角度は、基部、中央、および先端のすべての角度について品種間差と年次間差が有意であった。特に、開花期の中央と先端、乳熟期の先端の葉身角度は、品種の平均平方が年次よりも10倍以上大きく、品種間変動が大きかった。以上より、葉身角度は「きたほなみ」と「ホクシン」の間に明瞭な品種間差が認められた。ただし、年次間差も大きく、葉身角度と収量性の間に相関関係を見出すには至らなかった。
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