Identification of signal molecule mediating anthocyanin biosynthesis during flower development in Eustoma

2017 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16K18655
• Research Institution: National Museum of Nature and Science, Tokyo
• Principal Investigator: 水野 貴行 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究員 (80758772)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 収穫後生理 / 植物成長調節物質 / 花色

Outline of Annual Research Achievements

トルコギキョウ花弁において、アントシアニン合成を内生的に誘導するシグナル化合物として働くジャスモン酸関連化合物を同定する。これにより、時期や器官で特異的に行われるアントシアニン合成制御の機構において、転写因子よりも上流に化合物がシグナルとして作用する伝達系が存在し、関与していることを明らかにする。本研究では、（１）ジャスモン酸関連化合物の網羅的な化学分析から候補化合物を絞り込み、（２）バイオアッセイ系を用いて、活性を評価し、（３）活性が見られた化合物の精製および構造決定を行う。
本年度は、昨年度におおむね確立したUPLC-MS/MSを用いた網羅解析法から、花弁の着色と内生のジャスモン酸関連化合物との関係を調査した。調査には生育段階の異なるトルコギキョウの蕾を供試した。その結果、蕾の先端部が開き始めた緑色の蕾のステージにおいて、内生のジャスモン酸およびジャスモン酸メチルが検出された。
シグナル化合物を特定するためのバイオアッセイについて、当初計画した候補化合物分画を直接吸い上げる手法では、個体間の反応に差異が観察され、化合物特定が困難であることが明らかになった。そこで、候補化合物分画に花弁切片を直接浸漬し、遺伝子発現を調査する手法を改めて検討した。
また、本研究では、網羅解析の結果から、ジャスモン酸およびジャスモン酸メチルが内生的にもトルコギキョウ花弁の着色に関与している可能性が高まったため、これを証明するための開花関連遺伝子の調査を開始した。