2016 Fiscal Year Annual Research Report
異なるPRR下流に見出される新奇MAMP応答性プロテインキナーゼMRPK1の解析
Project/Area Number |
16K18658
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
玄 康洙 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (50573383)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 植物免疫 / 植物病理学 / リン酸化プロテオミクス / シグナル伝達 / MAMP / PAMP / シロイヌナズナ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はシロイヌナズナにおいて、MAMP刺激後のタンパク質リン酸化の変動を大規模に調べ、MRPK1を見出した。MRPK1は、MAMP刺激後10分以内にリン酸化される。mrpk1変異体は、トマト斑葉細菌病菌(PtoDC3000)に対する抵抗性が野生型(Col-8)と比較して低下する。つまりMRPK1は、植物免疫の初期応答を制御する因子であると考えられる。本研究は、MRPK1の分子機能および抵抗性における生理機能を解き明かすことで、植物免疫における初期応答システムの理解を目指す。 本研究では、シロイヌナズナにおいて,MAMP刺激によりリン酸化されるMRPK1のセリン残基を,リン酸化修飾を受けないアラニン残基に置換したSA変異型MRPK1(MRPK1-SA),リン酸化状態を模倣し得るアスパラギン酸残基に置換したSD変異型MRPK1(MRPK1-SD)の各種コンストラクトを調製後、mrpk1をMRPK1-SAおよびMRPK1-SDで相補した植物体を作出した. 次に、それらに対してPtoDC3000を接種したところ、MRPK1-SA変異体では、抵抗性が野生型と同等なレベルまで完全に回復することはなかった。したがって、MARPK1-SA変異型相補系統では抵抗性の相補は認められないこと明らかとなった。さらに、MRPK1-SA変異体に対してPtoDC3000を接種したところ、抵抗性は野生型と同等なレベルまで完全に回復した。したがって、MARPK1-SD変異型相補系統では抵抗性が相補されることが明らかとなった。これらの結果は、PtoDC3000に対する抵抗性にMRPK1のリン酸化が寄与することを示唆している。
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