2017 Fiscal Year Research-status Report
DNA/RNAミスマッチ認識蛋白質を用いた高精度逆転写による相同miRNAの識別
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16K18680
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
福井 健二 大阪医科大学, 医学部, 助教 (00466038)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 逆転写反応 / X線結晶構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
相同miRNAは各種癌組織で発現しており、その発現パターンの正確な解析は診断や基礎研究に極めて重要である。相同miRNAの識別のために、高度好熱菌由来 BsbP タンパク質を利用する。このタンパク質は DNA/RNA ハイブリッドから成るミスマッチ/ループを認識できる。逆転写反応のプライマーが鋳型と誤対合し、ミスマッチ/ループを形成した際に、BsbP が強く結合する。これは逆転写反における非特異的増幅を抑制し、相同miRNA検出/識別の精度を上昇させることに繋がる。高度好熱菌由来 BsbP タンパク質の逆転写反応における非特異的抑制効果をリアルタイム PCR によって確認した。対照実験として高度好熱菌由来 MutS を用いた。高度好熱菌由来 MutS は DNA/DNA から成るミスマッチは認識できるが、DNA/RNA ハイブリッドから成るミスマッチは認識できない。MutS では逆転写反応時の非特異的増幅抑制効果は得られなかったが、BsbP では、プライマーが鋳型に対合した際に 6 塩基以上のループを形成する場合に増幅阻害の効果を示した。より小さいループに対しても阻害効果を示すよう BsbP をタンパク質工学的に改良することを目的として BsbP の X 線結晶構造解析を試みた。BsbP の高純度精製法を確立し、結晶化スクリーニングを行った結果、3種類の結晶化条件でタンパク質結晶が得られた。結晶化条件の最適化を経て、X線回折実験に適した結晶を得た。SPring-8 の放射光を利用して回折像を取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BsbP タンパク質結晶のX線回折データを取得できたが、位相決定が困難であったため、重原子誘導体でのデータの取得を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
BsbP タンパク質は、プライマーが鋳型と 6 塩基以上の比較的大きなループを形成する場合にのみ逆転写反応の阻害効果を示した。BsbP をより広範な条件で利用可能とするためにはタンパク質工学的改良が必須である。そのためには BsbP の立体構造情報の利用が有効である。現在、BsbP 結晶のX線回折データの取得に成功しているが、位相決定に至っていない。今後、重原子誘導体結晶を利用して位相決定を行い、立体構造情報を得る。
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Causes of Carryover |
高度好熱菌由来 BsbP タンパク質の X 線結晶構造解析の位相決定に困難があったために予定よりも研究の進捗が遅れたため。今後、重原子誘導体を用いた SPring-8 放射光での構造解析と、その結果に基いた BsbP タンパク質の改良に予算を使用する。具体的にはS SPring-8 のビームタイム使用料とそれに伴う旅費、また、BsbP タンパク質精製用試薬類とリアルタイム PCR 関連試薬に予算を使用する予定である。
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