2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of pyrophosphate regulation in plant
Project/Area Number |
16K18687
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
瀬上 紹嗣 名古屋大学, 生命農学研究科, 研究員 (00765935)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ピロリン酸 / 細胞壁 / 液胞膜プロトンポンプ / 窒素 / 糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では植物細胞におけるピロリン酸(PPi)濃度維持機構の解明を目指している。PPiは極めて基本的な生体内分子であり、数百の代謝過程において発生する。その濃度は生物の様々な代謝に大きな影響を与えるが、植物においてはその制御機構が分かっていない。シロイヌナズナを材料として解析を進めてきた結果、我々は液胞膜H+-PPase:VHP1/FUGU5, 細胞質基質sPPase:PPa1-5が分解に関与することを見出しており、これらを研究対象として解析を進めてきた。 研究機関全体を通して得られた主要な成果は2016年にFrontiers in Plant Science誌に2報、2018年度にThe Plant Cell誌から論文として出版することができている他に、3報の論文の出版に関与した。 最終年度では、主にH+-PPase破壊株の表現型が培地に添加した窒素源の違いにより大きく異なる現象についての解析を行った。本表現型はこれまでに分かっているショ糖欠乏による表現型と切り離すことができるため、窒素代謝とピロリン酸代謝との関連性が示唆された。窒素条件はH+-PPase破壊株におけるsPPase発現に影響しないこと、また様々な組み合わせのH+-PPaseとsPPaseの多重破壊株の解析から他のPPi分解系は存在しないことが示唆された。これらの観察から窒素源の違いによりPPiの合成量が亢進しているという仮説に絞られている。ここまでの研究成果をFrontiers in Plant Science誌に投稿しており、現在minor / moderate revisionという評価を受け、改訂版を再投稿した。
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Research Products
(2 results)