2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of selenium metabolism utilizing high concentration selenium-resistant bacteria
Project/Area Number |
16K18691
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
戸部 隆太 立命館大学, 生命科学部, 助教 (00758823)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Selenium / Thioredoxin / Bacteria / Selenide / Selenoprotein / Selenite reduction |
Outline of Annual Research Achievements |
Pseudomonas sp. F2a 株由来のTrxAとTrxRをHisタグ融合タンパク質として精製した。また、TrxAの活性中心であるWCxxCモチーフに変異を導入し、変異型TrxA(C33A、C36A、およびC33A/C36A)を作製・精製した。精製したタンパク質を用いて、亜セレン酸を基質とする還元活性を調べた結果、野生型は還元活性を持つことが示された一方で、変異型は野生型に比べて著しい活性の低下が認められた。しかし、野生型も変異型もセレン酸、亜硫酸、チオ硫酸に対しては活性を示さなかった。これらの結果から、TrxA は亜セレン酸に特異的な還元活性を有することが明らかとなり、この反応には二つのCys残基が重要であることが示された。TrxA が亜セレン酸に作用し、生成される反応中間体の存在および形態を調べるために、還元型TrxAと亜セレン酸との反応産物をESI-MS により解析した。その結果、野生型では、タンパク質単体のピークに加えて、反応中間体と思われるピークが検出された。一方で、変異型ではC36Aのみセレン単体が結合している反応中間体と推測されるピークが検出された。さらに、亜セレン酸と反応させたTrxAの酸化還元状態を調べるために、チオール修飾剤を利用したゲルシフトアッセイを行った。その結果、野生型では、活性中心の二つのCys残基を消費した酸化型のTrxA が検出された。C36Aでは、バンドシフトが確認されたが、C33A および C33A/C36A では、亜セレン酸との反応によるバンドシフトは認められなかった。以上の結果より、TrxA は活性中心にある 2 つのCys残基の内、まず33番目のCysが亜セレン酸に対して作用することで還元反応が進行し、TrxA-セレン中間体形成することで安定的に SelDへとHSe- を供給することが示唆された。
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