2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K18692
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小笠原 泰志 北海道大学, 工学研究院, 助教 (20732986)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アミド結合 / シュードペプチド / 生合成 / 天然物 / 放線菌 / 酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) メチレンケトン型擬似ペプチド生合成中のペプチドライゲースの機能解析 Micromonospora属放線菌のメチレンケトン型新規擬似ペプチド(ケトメミシンと命名した)の生合成遺伝子クラスターにコードされたペプチドライゲースについて、有機合成的手法で擬似ジペプチド基質を用意し、酵素反応の進行をin vitorで検証した。また、これを利用して最終産物であるケトメミシンの絶対立体配置を決定した。また、ペプチドライゲースのN末基質にアミジノ基を導入するアミジノ基転移酵素についてin vitroで酵素反応の解析を行った。 (2) メチレンケトン型擬似ペプチドの生合成解析 これまで報告がないメチレンケトン部の生合成について、遺伝子クラスター中にコードされた4つの酵素が関与している仮説を検証するため、大腸菌で発現した組換え酵素を用いて酵素反応の検討を行った。その結果、フェニルピルビン酸とマロニルCoAを出発物質とすること、アルドラーゼ(KtmA)、脱水酵素(KtmC)、オキソアミン合成酵素(KtmB)、還元酵素(KtmF)の順で酵素が反応を触媒しメチレンケトン型擬似ペプチドが生合成されることを明らかにした。 (3) ペプチドライゲースオルソログの機能解析 ペプチドライゲースのオルソログを含む遺伝子クラスターの中でクラスターに含まれる遺伝子がユニークであった遺伝子クラスターを10菌株選択し、それぞれ遺伝子を異種宿主に導入し、得られた生成物をHPLC で分析した。その内のいくつかについては宿主に存在しない代謝産物のピークが見いだされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画したケトメミシン生合成中のペプチドライゲースの機能解析について終了した。また、メチレンケトン型疑似ジペプチド構造の生合成に関与する4つの酵素についてもすべてin vitroで反応の解析に成功しており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に推移しており、当初の計画に沿って研究を進める。 特にペプチドライゲースオルソログの機能解析については、特異的な代謝産物の生産条件の検討と得られた化合物の構造解析を進めており、実験を継続する。
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