2018 Fiscal Year Annual Research Report
An ancestral gibberellin biosynthetic pathway in the moss Physcomitrella patens
Project/Area Number |
16K18693
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮崎 翔 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (30755955)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 植物科学 / 天然物 / カウレン酸 / 分化制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物ホルモン,ジベレリン(以下,GA)の起源物質とも換言できる成長制御物質とその生合成経路を,コケ植物より明らかとした. 研究代表者はヒメツリガネゴケがent-カウレン酸(以下,KA)まで顕花植物と同じGA生合成経路を持っていることを明らかとしていた.KA生産能を失うPpcps/ks欠損株では細胞分化に異常が見られ,KAの投与で回復する.この表現型を生物検定法としKA代謝産物の追跡を行った.植物試料から化合物群を抽出,逆相HPLCを用いて抽出物を分取,その画分を再度Ppcps/ks欠損株に投与,分化活性を定量的に評価,と試験を行うことで分化活性をもつKA代謝画分を検出した.機器分析から活性型KA代謝物としてent-3β-hydroxy-カウレン酸を同定した.次に生合成酵素の探索を目的とし,各種条件下で培養した植物試料を用いて次世代シークエンサに供した.候補酵素の一つがKAを基質に変換物を与え,NMRよりent-2α-hydroxy-カウレン酸(2OH-KA)であると構造決定した.2OH-KA合成酵素遺伝子の変異体の作出,遺伝子発現解析からこの2OH-KAはKAから生産される不活性化体であることが示された.この3位と2位の酸化による活性制御機構は顕花植物のGA生合成経路で見られているものと類似しており,GAを生産しないコケ植物からが保存されていたことを示している. これらの成果は査読付き原著論文として受理され,公表の機会を得た(Miyazaki et al., 2018).
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Research Products
(6 results)