2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on absorption and neuroprotection of Plasmalogen
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16K18697
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
山下 慎司 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (90531434)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プラズマローゲン / アルツハイマー / 吸収代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「プラズマローゲンの吸収代謝および神経保護作用に関する研究」は、内因性の機能性脂質であるプラズマローゲン(Pls)に着目し、食事としてPlsを摂取した時の吸収代謝と機能性およびそのメカニズムを解明することを目的としている。本研究の期間は平成28、29年度の2年であり、最終年度である平成29年度には以下のことを行った。 ・前年度の試験から体内のDHAを側鎖に持つPls量がアルツハイマーと関係することが示唆されている。そこで、体内のDHA型Pls量を増やすための食材として何が有効であるかを調査するため、DHAを含む魚油摂取とPls摂取を比較した。血漿において、Plsの投与はDHA型Pls量を増加させた。一方、今回の試験では魚油の投与は血漿中のDHA型Pls量を増加させなかった。 ・Plsの吸収代謝解明および吸収率の向上を目的に、単回投与によるPlsの極性基の違い、脂肪酸の有無を比較した。極性基の違いにより吸収動態は異なり、またPlsを酵素処理により脂肪酸を切断したリゾPlsの使用により吸収率が増加することが示唆された。 また、昨年度の成果と合わせ、以下のことが明らかとなった。 ・Pls投与によるアルツハイマーモデルラットの認知行動改善作用を検証し、Pls投与が脳中のDHA型Pls量を増加させ、行動障害を改善することが示唆された(Lipids, 52, 575-585, 2017)。 ・体内のDHA型Pls量を増やすための成分を検討し、魚油と比較し、Plsそのものの投与が血漿DHA型Plsの増加に効果的であると示唆された。さらに、Pls吸収効率の増加法を検討し、リゾPlsを使用することにより、通常のPls投与より吸収率が増加することが観察された。
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