Analysis of intestinal environmental change by intake of fructooligosaccharide in the ultra-short term

2017 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16K18710
• Research Institution: Institute of Physical and Chemical Research
• Principal Investigator: 加藤 完 国立研究開発法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 特別研究員 (20632946)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 腸内細菌

Outline of Annual Research Achievements

腸内環境は数百種におよぶ腸内細菌が存在しており、複雑な複合微生物系を構成している。これら腸内細菌は宿主の健康に影響を及ぼすことが多数報告されているが、その詳細なメカニズムについてはわかっていない。腸内環境を改善するプレバイオティクスであるフラクトオリゴ糖（FOS）の摂取はマウスの糞便中IgA量を増加させることが報告されている。このFOSを使用することにより腸内環境の変動を時系列で追跡した。FOS摂取後数時間単位での糞便を回収し、短時間での腸内環境の変動を解析した結果、FOSの摂取は8時間でLactobacillusの一時的な増加、16時間以降でBacteroidesやParabacteroidesなどが増加し、腸内細菌の構成を変動させることが示された。その後腸内代謝産物の構成の変化が検出され、腸内細菌から腸内代謝物への変動を追跡することができた。宿主からの反応である糞便中IgA量は腸内環境の変動以降に生じており、腸内細菌の変動が宿主に与えるまでの腸内環境変動を明らかにした。加えて、腸管における遺伝子変動をマイクロアレイで解析し、さらに小腸、大腸における細胞種の変動をフローサイトメーターにより解析したが、FOS摂取後24時間では有意な変動を検出できなかった。この結果は、宿主におけるFOS摂取の変動は遺伝子や細胞ポピュレーションに大きくは生じておらず別のメカニズムによって糞便中のIgA量が増大したと考えられる。
以上のことから、腸内環境の時系列での変動を捉え、腸内複雑系のFOS摂取によるメカニズムの一端を示した。