2018 Fiscal Year Annual Research Report
Unraveling of aging induced obese-type gut microbiota and development of the prevention method
Project/Area Number |
16K18712
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中西 裕美子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 客員研究員 (10614274)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 加齢 / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、腸内環境改善による加齢に伴う肥満予防を目的に、5%プレバイオティクス(フラクトオリゴ糖:FOS)を含むAIN-93M飼料(FOS群)、FOSを含まないAIN-93M飼料(AIN群)、通常飼育に使われるCA-1飼料(CA-1群)をそれぞれSPFマウスに長期与え、加齢マウスとして87週齢の時点で体重増加量、血糖値、脂肪量、糞便中IgAの評価と解剖し免疫細胞への影響の評価を行った。また、比較対象の若齢マウスとして、9週齢のSPFマウスも解剖を行い、同様の解析を行った。その結果、FOS投与によっても体重や血糖値において肥満抑制効果は見られなかった。しかし、糞便中IgA量の測定結果から、糞便中IgAは加齢に伴い減少するものの、FOS群では加齢においても比較的高い値を維持していた。これらのマウスの小腸上皮とパイエル版から細胞を採取しフローサイトメトリーにて解析を行ったところ、小腸上皮でのIgA産生形質細胞が加齢マウスでは一貫して低下している中で、FOS群では他の群と比較し高い傾向にあった。また、パイエル版におけるIgA産生B細胞もFOS群では高い傾向にあった。腸内細菌叢の解析結果からは、FOS投与により加齢マウスにおいてBacteroides属の増加、Allobaculum属の低下が観察された。これらの細菌叢の変化がIgA産生のメカニズムに関わる可能性がある。高齢になると、免疫老化(獲得免疫機能の低下)により感染防御力低下等が報告されている。そのため、FOS摂取によりIgA産生を増加させることで、IgAによる感染防御を活性化し、加齢における感染症予防につながることが期待される。
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