2016 Fiscal Year Research-status Report
途上国で漁業者が資源管理組織に参加するインセンティブを探る
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16K18745
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
堀 美菜 高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 講師 (60582476)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 水産資源 / 資源管理 / 共同管理 / 住民参加型 / 小規模漁業 / インセンティブ / カンボジア |
Outline of Annual Research Achievements |
漁業資源の持続可能な利用に向けて、1990年代以降共同管理が広められてきた。それまで中央集権的だった天然資源の管理は、政府と地域共同体との間で管理の権限と責任を共有する仕組みとなった。近年、共同管理成功の鍵として、漁業者組織におけるリーダーの存在、ソーシャルキャピタル、明確なインセンティブの3要素の重要性が指摘されている。本研究では、外部支援や制度設計により、比較的短期間に変化を起こせるインセンティブに着目し、途上国漁村を事例に、条件の異なる資源管理組織に属する漁業者の持つ組織参加のインセンティブと、それに影響を与える要因を明らかにする。 本年度は、研究体制の構築及び文献レビューによる資源管理の意識の測り方として適当な項目のリスト化に取り組んだ。これらをもとに漁業コミュニティのメンバーを対象とした聞き取り調査に用いる質問票作りに取り組み、うち一部を現地で試用し有効性を確認したが、1箇所での試用に留まった。今後、複数箇所での試用と質問票の調整・修正が必要である。年度計画においては、質問票の有効性を確認するための事前調査と質問票の修正、次年度以降の本調査を実施する調査地を選定するための情報収集を現地で行う予定であったが、年度後半に妊娠し、現地調査を実施することが出来なくなった。そのため、カンボジアで実施されているインセンティブを引き起こすと期待されるマイクロファイナンスのプロジェクトに関する情報収集と、同じくインセンティブを引き起こすと期待されるエコツーリズムについて、既にデータを収集済みであったタイ国漁村のエコツーリズムの成功事例の分析と研究成果の取りまとめを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、研究体制を整え、質問票の構築と試用、修正を予定していたが、妊娠により海外渡航による現地調査が困難となり、今年度計画していた事前調査を実施することが出来なかったため、質問票の複数箇所での試用と修正に至らず「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は産前産後の休暇、育児休業のため研究を中断し、事業期間の延長を申請する予定である。次々年度に研究を再開し、現地の情勢を再確認した上で、今年度に実施出来なかった質問票の複数箇所での試用、調査地の選定から順次、当初の計画に従い研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
妊娠により海外渡航による現地調査が困難となったため、今年度計画していた現地調査2回分の旅費、謝金が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は産前産後の休暇、育児休業により研究を中断し、次々年度に研究を再開する予定である。未使用金は、研究再開後に現地調査を実施する際、当初の計画に従い旅費、謝金として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)