2021 Fiscal Year Research-status Report
途上国で漁業者が資源管理組織に参加するインセンティブを探る
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16K18745
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
堀 美菜 高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 准教授 (60582476)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カンボジア / トンレサープ湖 / 小規模漁業 / 共同管理 / 資源管理 / 漁業コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、令和元年度の途中で一時中断した現地調査を再開する予定であったが、昨年度に続き新型コロナウィルスの影響により海外渡航が不可能であったため、現地調査は再開できなかった。そのため、現地に滞在する研究者とオンラインでのやり取りを通じ、1.有効なコミュニティ漁業管理に必要な条件と現在のコミュニティ漁業が抱える課題について取りまとめ、学会発表および論文として報告した。コミュニティ漁業の法的枠組みについての周知と理解、行政等からの資金・技術援助や、共同管理におけるメンバー間の協同と信頼、また、小規模漁業における平等な漁業権が条件として挙げられた一方で、各漁業コミュニティが経済的に自立できていないことが一番の課題として挙げられた。2.カンボジアの小規模海面漁業の水産物流通の構造について、内水面漁業との比較を行い、相違点を整理した上で課題と対応策を考察し報告した。特に、主要都市に海産物の卸売市場がないことが、内水面漁業と大きく異なる点であるが、近年の海面漁業の漁獲量上昇と消費の増加、流通量の把握や安全衛生管理対策の面からも整備が望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により海外渡航が出来ないことから、現地調査の実施が中断しており、当初の予定からは遅れているものの、現地滞在の研究者との研究を進め、成果報告まで至ったため「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進方策については、研究計画に沿って実施する予定であるが、現地調査については、海外移動の安全性を確認した後に再開するものとする。現地調査の目途が立たない場合は、調査対象の見直し(漁業コミュニティへの聞き取りの実施が困難になることが予想されるため、外部支援機関と行政に変更)を検討する。
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Causes of Carryover |
研究を一時中断していた時に未使用となった予算の一部が持ち越されていること、加えて新型コロナウィルスの影響により、海外渡航を見合わせる必要があり、予定していた現地調査が中止となったため、旅費、謝金が未使用となったことから、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、研究計画に沿って、主に旅費・謝金に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)