2016 Fiscal Year Research-status Report
RNAウイルス感染時の宿主免疫応答を利用したエビ類の疾病診断法の確立
Project/Area Number |
16K18747
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
稲田 真理 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 増養殖研究所, 任期付研究員 (50723558)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 伝染性筋肉壊死症 / IMNV / バナメイエビ / クルマエビ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、エビ養殖においてこれまで実用化できていないウイルス病防除対策のブレークスルーを目的とし、【1】:RNAウイルスの感染モデルの作製後、【2】:RNAウイルス感染時における病態変化の観察と宿主の免疫応答の一端の解明を行い、【3】:ウイルス病(DNAウイルス、RNAウイルス感染症)感染の指標となるエビ類の遺伝子マーカーを同定するという3段階で遂行する。 平成28年度は、【1】:RNAウイルス感染モデルの作製を行った。インドネシアの研究機関から収集したRNAウイルス(IMNV:infectious myonecrosis virus=伝染性筋肉壊死症の原因ウイルス)を用いて病原体感染試験を行い、ウイルス感染、疾病発症を確認した。ウイルス感染後の外観的特徴として、バナメイエビの筋肉は透明がかった色をしているので組織の壊死による筋肉の白濁が顕著に観察されるが、クルマエビの筋肉は元々の色が白いため、ウイルス感染による筋肉の白濁は外観的にわからないことが確認された。 IMNVの病原性について、IMNVはバナメイエビに対して強い病原性を示すことが知られていたが、クルマエビに対しての病原性は不明であった。本実験により、IMNV注射後2週間以内におけるクルマエビの死亡率は、バナメイエビの死亡率と同じく100%を示し、IMNVはクルマビに対してもバナメイエビと同等かそれ以上の強い病原性を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的を果たすために掲げた今年度の目標「RNAウイルス感染モデルの作製」を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の実験結果をもとに、平成29年度は、ウイルス感染時における宿主(クルマエビ)の継時的遺伝子発現プロファイルの作製を行う。
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Causes of Carryover |
一度の海外渡航で必要なRNAウイルスを収集することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画当初よりもサンプル数を増やして、より精度の高いTSA解析を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Modification of PCR program for detection of infectious myonecrosis virus2016
Author(s)
Inada, M., Handayani, C.R., Kawato, Y., Mekata, T., Yuasa, K., Miwa, S.
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Journal Title
Fish Pathology
Volume: 51(4)
Pages: 210-212
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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