2016 Fiscal Year Research-status Report
体重に特色のある独自の系統を用いたウズラの成長を支配する量的形質遺伝子座の探索
Project/Area Number |
16K18781
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
只野 亮 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (70614048)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ウズラ / DNAマーカー / 体重 / 資源家系 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウズラの成長を支配する遺伝子座の特定を最終目標として、2016年度には以下の内容を実施した。1.遺伝子座のマッピングに必要となる資源家系の造成を行った。具体的には、体重大系統の雄1個体と通常体重系統の雌3個体を交配し、36個体のF1を作成した。このF1個体の中から、雄9個体と雌9個体を選び全きょうだい交配を行い、現在までに154個体のF2を孵化・育成した。2. 資源家系の親世代、F1、F2個体に関して、成長形質(体重ならびに脚長)のデータ収集を実施した。親世代の形質データの収集については完了した。3.親世代の合計4個体とF1の合計36個体に関して、RAD-seqを用いてSNPマーカーの探索と遺伝子型の判定を実施した。その結果、親世代に用いた体重大系統の雄1個体と通常体重系統の雌3個体の間で、合計で42,233の多数のSNP部位で多型がみられ、成長を支配する遺伝子座を特定するための有効なマーカーとして使用できることが明らかとなった。さらに、公開されているウズラのリファレンスゲノムに貼り付けをした結果、これらのSNPマーカーは合計で32の染色体(連鎖群を含む)に位置していた。以上のように、資源家系に使用した2系統には、成長形質に大きな差異があるだけでなく、多数のSNPマーカーの遺伝子型にも違いが存在していた。したがって、ウズラの成長を支配する遺伝子座の特定を効率的に実施できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資源家系の造成については、現在F2個体の作成を行っており、おおむね計画通りに進行している。また、DNAマーカーの作成に関しては、親世代とF1個体でSNPマーカーの探索と遺伝子型の判定を実施できており、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
F2個体の作成をさらに継続させ、これらの個体に関して形質データの収集とSNPマーカーによる遺伝子型の判定を行う。
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Causes of Carryover |
SNPマーカーの作成のためのデータ解析の費用の支出が、年度をまたぐ形となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通り、翌年度分と合わせてデータ解析の費用として支出する。
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