2017 Fiscal Year Annual Research Report
Spatial-Temporal profile of ultrasound-mediated cisplatin delivery
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16K18799
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 東 北海道大学, 獣医学研究院, 助教 (00754532)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超音波治療 / 非侵襲 / ドラッグデリバリー / 膀胱癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では非筋層浸潤膀胱癌の非侵襲的局所コントロール法として、超音波とマイクロバブルによるドラッグデリバリー技術、ソノポレーションの臨床応用を加速させることを目的としている。そのために前臨床的かつ定量的なデーターを収集してきた。前年度には生体を模した3次元培養系を使用し、ソノポレーションによる白金系抗がん剤シスプラチンドラッグデリバリーを時間的および空間的に定量した。また、シスプラチンの殺細胞効果も時間的および空間的に解析した。それらの結果からシスプラチンの細胞内デリバリーが殺細胞効果に結びつくことが解明できたため、本年度は臨床応用へ向け、摘出した犬の膀胱を用いてシスプラチンのソノポレーションを行った。ソノポレーション後、誘導結合プラズマ質量分析計(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry, ICP-MS)を用い、粘膜内の白金濃度を測定した。ソノポレーションをした部位の膀胱粘膜内の白金濃度、すなわち抗がん剤シスプラチン濃度は他の膀胱粘膜より高い傾向にあった。しかし、超音波照射を行わなかった部位でも粘膜内の白金濃度の上昇が認められた。本研究により抗がん剤シスプラチンの膀胱内ソノポレーションが証明され、ソノポレーションの膀胱癌への応用が大きく前進した。一方、今回の投与条件をそのまま臨床応用した場合には正常膀胱粘膜への障害や全身循環への抗がん剤流入の可能性が示唆された。ソノポレーションを非侵襲的ながん治療法として臨床応用して行くために、今後は抗がん剤濃度など、より臨床的なパラメーターの最適が必要とされている。
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Research Products
(3 results)