2019 Fiscal Year Annual Research Report
How close can an echocardiogram get to right heart function? -A study using a pulmonary hypertension model
Project/Area Number |
16K18800
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中村 健介 宮崎大学, キャリアマネジメント推進機構, 准教授 (80625898)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / 右心機能 / 心エコー / 肺血栓塞栓症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は肺動脈マイクロビーズ塞栓により作出した慢性肺塞栓モデル犬5頭を用いて、心エコー図検査所見の経時的変化を行った。3頭については特に有意な変化を認めなかったが、1頭は徐々に右室機能低下所見を示して最終的には心不全を発症して死亡、残り1頭については突然の呼吸不全ならびに心不全を発症して死亡した。それぞれにおいて病理解剖を行ったところ、慢性経過の後に死亡した1頭においては肺動脈にびまん性の血栓が形成されており、狙い通りに慢性肺塞栓モデルが作出されていたことが示された。ただし他の3頭とは大きく異なり、この個体だけが重度の病態を形成した理由については不明である。しかしながら本個体については他3頭と比して心エコーでの右室機能低下所見が顕著に認められていたことから、心エコーが犬の肺塞栓症の予後ならびに重症度を予測する検査手法となりえることが示された。もう1頭、急性発症の後に死亡した個体についてはビーズ塞栓ではなく、肺動脈内に形成された内膜肉腫が死因であると考えられた。本疾患は犬では極めて稀であり、その病態も不明であるが、ビーズの投与ならびに頻回の心臓カテーテルの実施が誘因となっている可能性も考えられた。本個体については急性経過のためか顕著な右室拡大は認められなかったが、strainなどの新規右室機能指標には異常が認められていたことから、このような急性症例においても心エコーが有用であることが示された。なお、本個体の詳細に関しては2019年度実験動物病理標本交見会にて発表した。
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