2018 Fiscal Year Annual Research Report
Association between gut microbiota and mucosal regulartory T cells in dogs with breed-specific inflammatory bowel disease
Project/Area Number |
16K18801
|
Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
五十嵐 寛高 麻布大学, 獣医学部, 講師 (20758172)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 腸内細菌叢 / 炎症性腸疾患 / 制御性T細胞 / 短鎖脂肪酸 / ダックスフンド / プロバイオティクス / プレバイオティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は犬における腸内細菌叢の変動と制御性T細胞(Treg)との関連性を評価するため、実験犬5頭を用いてプレバイオティクスによる腸内細菌叢および抹消血中のTregの変動についての検討を行った。その結果、FaecalibacteriumやBlautiaなどのClostridium cluster IV&XIVaに属する菌種が増加したのに対し、CD4+Foxp3+細胞数に有意な変動は認められなかった。本検討では腸内細菌叢とTreg数の変動との間の相関が認められなかった。今後腸粘膜におけるTregの動態に対する検討が必要と考えられる。
本研究にて、炎症性結直腸ポリープ(ICRP)症例犬における腸内細菌叢変動や糞便中短鎖脂肪酸の減少との相関が認められた。また、病変部におけるTregの増加が認められたが、この遺伝子発現の上昇率は自然免疫系の炎症性サイトカインよりも少ないものであった。ICRPはもともと化膿性肉芽腫性炎症像を特徴とし、過去の報告でもマクロファージからのIL-8産生亢進やパターン認識受容体のSNP・機能異常などが報告されるなど、自然免疫系の異常が病因の本体と考えられている。一方で、腸炎の結果としての腸内細菌叢変動や短鎖脂肪酸の減少、Tregの相対的減少もまた増悪因子として作用している可能性は十分に考えられる。
この証明のために、実験3としてプロバイオティクスなど併用による治療効果を確認する臨床試験を実施しているが、当初の想定よりも大幅に症例数が減少しているため(ダックスフンドの飼育頭数減少が大きな要因と思われる)、解析に耐えうる症例数に達しておらず、さらに数年かけてデータを蓄積していく必要がある。しかし、中にはプロバイオティクスのみで長期的な寛解維持に成功している症例も存在するため、プロバイオティクスの有無による予後の変化について今後も検討を続けていきたいと考えている。
|
Research Products
(8 results)