2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study for the relationship between hypoxia and PG-resistance in bovine early corpus luteum -roles of BNIP3 in early corpus luteum-
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16K18803
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
西村 亮 鳥取大学, 農学部, 助教 (20704901)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ウシ / 黄体 / TGFb / progesterone / apoptosis / 黄体退行 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度の本研究課題における実施状況は以下の通り: 【概要】ウシの黄体形成において、VEGF (血管内皮増殖因子)、BNIP3 (BCL2/adenovirus E1B 19 kDa protein-interacting protein3) に次ぐ重要な因子を特定するための検討を継続して実施した。特に、平成29年度にトランスフォーミング増殖因子 (TGF) Ⅲ型受容体(endoglin, betaglycan)のウシ黄体機能への関与を示したことから、リガンドである TGFβ の黄体機能における役割について検討した。 【方法】発情周期各期のウシ黄体組織の TGFβ 受容体 (TGFBR1, 2) mRNA 発現について定量的 RT-PCR により調べた。ウシ中期黄体細胞を単離培養し、TGFβ をヒト絨毛性性腺刺激ホルモン (hCG) あるいは細胞死受容体 FAS のリガンド (FasL) の刺激下および非刺激下において添加し、一定時間培養後、培養上清中のプロジェステロン (P4) 濃度を測定するとともに細胞生存率を調べ、さらにアポトーシスに関連するタンパク質 (FAS, CASP8, BCL2, BAX, CASP3) の mRNA 発現について定量的 RT-PCR により調べた。 【結果】TGFBR2 mRNA 発現は黄体後期で高かった。TGFβ を添加することで黄体細胞の P4 分泌量と細胞生存率が有意に低下し、hCG 刺激下でより顕著であった。FasL を組み合わせることでさらに生存率は低下した。TGFβ は hCG 刺激下で FAS, BAX, CASP3 の mRNA 発現量を増加させた。 【結論】TGFβ はウシの黄体細胞において P4 分泌機能の低下および FAS を介したアポトーシスを誘導することが明らかとなり、黄体の機能的、構造的退行に関与することが示唆された。
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