2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of clinical breakpoint for pathogens in canine urinary tract infections
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16K18804
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
原田 和記 鳥取大学, 農学部, 准教授 (80549543)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 尿路感染症 / 犬 / 薬剤耐性菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、犬の尿路感染症の疫学調査で得られた検体の収集及び最終的な取りまとめとしてその解析を中心に行った。本調査に組み入れられた症例は最終的には82症例であり、組み入れ基準は頻尿や血尿等の泌尿器症状を示す個体であり、さらに尿中に有意な細菌量(10^5 CFU/ml以上)と好中球が検出されることとした。また、症例の背景としては、症例の年齢、性別、過去の尿路感染症の発症歴と現在の併発疾患の有無を解析因子に組み込まれた。分離細菌株については16S rRNAシークエンス解析により菌種を同定し、薬剤感受性試験により投与薬剤に対する感受性を確認した。抗菌剤投与後も頻尿又は/及び血尿が認められる症例を難治性症例と予後判定し、各種関連因子と治療予後の関連性についてロジスティックス回帰解析を行った。 全ての患者で、アモキシシリン、アモキシシリンクラブラン酸及びST合剤が経験的に使用されていた。また、82症例のうち51症例が10歳以上であり、17症例は再発症例であった。治療の結果、36症例が難治性症例と判定された。ロジスティック回帰解析の結果、再発症例では有意に高いオッズ比を示されたことから(OR:3.70,1.04-13.10)、再発が認められる症例では治療予後に注意が必要と思われた。また、有意ではなかったが、10歳以上の症例(OR:2.70, 0.97-7.50)、複数細菌の感染が認められた症例(OR:2.58, 0.76-8.72)も比較的高いオッズ比を示し、これらの素因を有する症例の治療においても注意を要することが示唆された。
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Research Products
(4 results)