2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel artificial insemination system with bovine sex-sorted semen using uterine immune reaction control technology
Project/Area Number |
16K18810
|
Research Institution | Fukuoka Agricultural and Forestry Research Center |
Principal Investigator |
山口 昇一郎 福岡県農林業総合試験場, 畜産部, 研究員 (30502520)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 牛性選別精液 / カフェイン / 子宮 / 多形核白血球 / 受胎率 / 深部注入器 / 押出し液 / 泌乳牛 |
Outline of Annual Research Achievements |
牛性選別精液は通常精液と比べて封入精子数が大幅に少ないため、経産牛での受胎率が低く、受胎率向上が求められている。我々は豚において、カフェイン(Caf)を配合した精液希釈液を用いて人工授精(AI)を行うと、AI後の子宮内の多形核白血球(PMN)数の増加が抑制され、子宮内での精子生存性を高めることで受胎率が向上することを報告している。本研究では、子宮内でのPMNによる精子貪食を制御し、子宮内での精子生存性を高めることによって牛性選別精液の受胎率が向上するかについて検討した。 ①深部注入器を用いた牛性選別精液AI体系において、Caf添加押出し液(通常は空気で精液を注入)がAI後の子宮内PMN数および精子生存率に及ぼす影響を検討するため、性選別精液のAIを行い、AI5時間後子宮灌流を行った。試験区は、AI未実施区、Caf無添加区およびCaf添加区とした。検討の結果、Caf無添加区はAI未実施区に比べAI後の有意なPMN数の増加が認められ、灌流液からの精子発見割合は40%(2/5)であった。Caf添加区はPMN数の有意な増加は認められず、精子発見割合は80%(4/5)であった。 ②Caf添加押出し液が受胎性に及ぼす影響について検討するため、泌乳牛に深部注入器を用いて性選別精液のAIを行った。対照区(n=25)は空気による注入とし、試験区(n=18)は押出し液として20mMカフェイン添加モデナ液1mlを用いた。検討の結果、泌乳牛への性選別精液AI後の受胎率は、対照区の40.0%に対して、試験区は44.4%であった。 以上のことから、深部注入器を用いたAI体系において、Caf添加押出し液(基礎培地としてモデナ液)を用いて性選別精液のAIを行うと、AIに起因する子宮内PMN数の有意な増加が抑制され、子宮内の精子生存性および受胎性を向上させる可能性があることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)