2016 Fiscal Year Research-status Report
都市緑地の持続的な創出・維持のための木質バイオマス総合利用の評価
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16K18831
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺田 徹 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (00619934)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バイオマス利用 / 里山 / 熱利用 / 再生可能エネルギー / 都市林業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は都市郊外の木質バイオマス総合利用に関してデータの取得や解析を行うとともに、海外先進事例の調査を実施した。具体的には以下のとおり。 ・千葉県柏市を対象として、里山、公園緑地、住宅地内の緑地、建設発生木材等によるバイオマス総合利用について、総合利用時の発生量の推定およびFiT政策(固定価格買い取り制度)を用いたときの経済性に関する評価を実施した。また関連の議論が欧州、とりわけオーストリアで進んでいるため、共著論文執筆のための研究打ち合わせを、オーストリアの専門家(Dr. Viktor Bruckman, Austria Academy of Science)と実施した ・さらに、とくに里山に関しては、東京近郊の里山およびオーストリア・ウィーン近郊の里山を対象としたバイオマス生産性の比較分析に関して論文をまとめるとともに(Bruckman, Terada, Fukuda, Yamamoto, Hochbichler, 2016)、東京近郊における市民による管理の実態と、様々な管理団体による発生量の実態把握を実施し、論文にまとめた(小林・寺田・山本、2017) ・海外先進事例調査をウィーンおよびロンドンで実施した。ウィーンでは小規模バイオマス熱利用の事例を複数調査し、ロンドンでは都市林業およびCroydon TreeStationの調査を行い、バイオマスの中間処理および都市部での熱利用に関する最新の知見を得た
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目以降に予定していた海外事例調査について、現地との調整が順調に進んだため、今年度に実施することができた。また、郊外都市(柏市)におけるバイオマス総合利用については分析おが進み、その一部については論文を出版することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は海外先進事例調査と郊外都市のバイオマス利用分析について多くの成果を得た一方、都市部(東京23区)の分析は、一部の公園における事例調査に留まったため、今年度の中心課題としたい。また昨今では、本研究課題の主たるキーワードである都市林業(アーバンフォレストリー)に関連した民間組織も、日本で生まれつつあるため、関連組織へのヒアリングも行いたい。
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[Journal Article] Overmature periurban Quercus-Carpinus coppice forests in Austria and Japan: a comparison in view of carbon stocks, stand characteristics and conversion to high forest2016
Author(s)
Bruckman, V. J., Terada, T., Fukuda, K., Yamamoto, H., and Hochbichler, E.
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Journal Title
European Journal of Forest Research
Volume: 135(5)
Pages: 857-869
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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