2017 Fiscal Year Annual Research Report
Novel Development of an Amide Insertion Reaction and an Elucidation of metallic Property of Carbenoid Species
Project/Area Number |
16K18840
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
原田 慎吾 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (50722691)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 挿入反応 / カルベノイド / ナイトレノイド / 銀 / アミド |
Outline of Annual Research Achievements |
金属カルベノイドの挿入反応は、結合開裂を伴いながら炭素原子が結合間に割り込む特徴的な分子変換法である。近年でもC-H結合や炭素-炭素多重結合への挿入反応は、不活性結合の官能基化法として研究が行われている。以前、申請者は世界で初めてロジウムカルベノイドのアミド結合に対する挿入反応の開発に成功した。カルベノイド種は配位している金属種によって大きく異なる反応性を示すが、その金属特性は解明されておらず、その反応性の差異を活用した合成化学的な応用例は殆ど報告されていなかった。申請者は同化学種の新規な反応性の開拓および金属特性を活用した反応制御を目的に研究を行った。 芳香環に対する反応をモデルとして、汎用されるロジウムカルベノイドを用いた場合、ブフナー環拡大反応やC-H挿入反応が進行するのに対し、銀カルベノイドを作用させると化学選択的に脱芳香化反応が進行することを見出した。 また金属カルベノイドと金属ナイトレノイドは類似した反応性を持つことが知られている。しかしながら、それらの類似性・相違性の発現理由を明らかにした報告はなかった。申請者はアミド基に対する反応をモデルとして検討した結果、カルベノイドはアミド挿入反応を起こすのに対し、ナイトレノイドはC-H結合挿入反応を起こすことがわかった。反応機構の解析に向けてDFT計算を行った所、金属種に配位している原子の求電子性が選択性の発現に大きく寄与していることが示唆された。
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Research Products
(20 results)