2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of domino doublespiro cyclization
Project/Area Number |
16K18853
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
横江 弘雅 星薬科大学, 薬学部, 助教 (10613622)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ドミノ反応 / スピロ環化 / 多剤耐性克服効果 / ジアステレオ選択的 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究計画に従って、前年度までに見出したジアステレオ選択的ドミノダブルスピロ環化反応の最適化条件を、より複雑な系へ応用するとともに、薬剤耐性克服効果を有するグランジロジンCの全合成を目的に検討をすすめ、以下の結果を得た。 ①単純なアルキル側鎖をアニリン単位で置換した前駆体の合成法を確立できた。オルト位に置換基を有するビフェニル化合物の合成は、当初予想していたよりも困難であったが、ジアゾニウム塩を用いる松田-溝呂木-ヘック反応を適用することで、合成できることがわかった。その後、予想外の副反応に悩まされたが、副産物の構造がヒントとなり、目的物へと至るルートを確立することができた。 ②これまで用いていたものよりも複雑な環化前駆体を用いた場合、先に見出していた最適化条件が適用不可であることが明らかになった。芳香環まわりの置換基が複雑になるにつれて、その反応性が低下し、芳香環とベンジル位置換基の両方を導入したアミド体からは、これまでの方法では全く閉環体を得ることはできなかった。しかしながら、その後も検討を継続したところ、アルキン単位の置換様式が重要であるという知見を得るとともに、反応条件についてもブラッシュアップを行うことで、望む環化成績体を合成することに成功し、全合成への道を開くことができた。これは、前年度に得た予想外の反応結果にヒントを得たものである。 ③②で得られた結果をグランジロジンCの母骨格合成に必要な炭素単位を備えた環化前駆体に適用し、所望の閉環体を合成するとともに、目的天然物のコア構造を構築することができた。
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