2017 Fiscal Year Research-status Report
核磁気共鳴法を利用したペプチドトランスポーター標的型がん診断プローブの創出
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16K18865
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
荒川 大 金沢大学, 薬学系, 助教 (40709028)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MRI / ペプチドトランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度でペプチドトランスポーター1(PEPT1)およびPEPT2によって輸送されることが明らかとなったジフルオロジペプチド化合物のうち3,5-フルオロジペプチド体について、マウスを用いて静脈内投与による薬物動態学試験を行った。その結果、血中半減期が1.4時間と比較的良好な滞留性を示し、また分布容積が0.4L/kg程度であったことから、腫瘍へ移行する可能性が示唆された。この化合物について、核磁気共鳴のスペクトルを調べたところ、当初の想定に反し、2種のフッ素によるスペクトルが得られた。そのため並行して合成展開をしていた構造異性体2,6-F体についてスペクトルを調べたところ、1本のスペクトルが得られた。これらの腫瘍移行性およびMRI画像試験の適性を調べるため、これら2種の化合物を膵臓がんASPC-1細胞の担がんマウスに投与し、MRI画像を予備的に取得した。その結果、スペクトルが2つに分かれた化合物については体内に比較的滞留する結果が得られた一方、スペクトルが1つであった化合物は速やかに尿中排泄され、腫瘍のイメージングに適さないことが明らかとなった。これら2種の化合物の動態挙動の違いについて、3,5F体は何かしらの抱合反応を受け、胆汁中へ排泄されていることが想定されたが、尿中排泄されない原因については不明である。また現在、滞留性の良好であった3,5-F体のMRIスペクトルパターンが2つに分かれた原因を、不純物の混入を含めて追究している。今後ASPC-1細胞の担がんマウスに候補化合物を投与し、質量分析器を用いて腫瘍への蓄積の定量およびMRI画像を取得する時間点の最適化を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究では最終年度にMRIの検討を行う予定であったが、比較的早い段階でペプチドトランスポーターの認識性の高い化合物を得ることができたため、研究2年目からMRIの検討を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
MRIによる腫瘍観察の最適化のため、以下の検討を行う。 1 担がんマウスによるフルオロジペプチドの腫瘍への蓄積性評価 合成したフルオロジペプチドがどれくらいの時間でどの程度腫瘍へ蓄積するかについて質量分析器を用いて定量を行う。 2. MRI画像の再取得 フルオロジペプチドの腫瘍移行性の結果を踏まえ、腫瘍蓄積のMRIによる画像を取得する。 またこれまでの結果をまとめ、論文発表を行う。
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