2017 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism of novel LPA3-mediated activation of vagal afferent nerve
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16K18870
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
可野 邦行 東北大学, 薬学研究科, 助教 (50636404)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リゾホスファチジン酸 / 迷走神経 / 心筋梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に、1)昨年度の解析から明らかになったDHA型リン脂質の心筋梗塞における産生変動、2)求心性迷走神経におけるLPA受容体の発現解析、3)LPAによる抗炎症性サイトカイン産生に関するLPA3と迷走神経の関与の解析を行なった。 DHA型リン脂質の解析からは、DHA型LPAの産生においてその基質となりうるDHA含有ホスファチジン酸(PA)が同様の時間軸で蓄積することを見出した。一方で、PA以外のリン脂質においてDHA含有型分子種は大きな変化は認められず、PA特異的な反応であることが明らかとなった。また、心臓組織片を用いたex vivoでの実験系を確立し、単離心臓においてもDHA型リン脂質の変動が認められることから、心筋細胞における反応であることが確認された。 新たにRNA scopeを用いたin situ hybridizationの実験系を導入し、求心性迷走神経の細胞体が局在するノードーズガングリオンでの解析を行った。その結果、全ての神経細胞ではなく、特性の細胞集団にLPA3が高発現していることが明らかになり、LPA3は心臓や肺といった特定の臓器に投射する迷走神経を特異的に制御していることが示唆された。また興味深いことにLPA3以外のLPA受容体、更にはいくつかの脂質をリガンドとする受容体の細胞体での発現も確認された。 マウス敗血症モデルを用い、in vivo、in vitroの両面から解析を行なったところ、LPAによる抗炎症性サイトカインの産生には部分的にLPA3が関与しているものの、主要なLPA受容体は他に存在することが明らかになった。本年度では、このLPA受容体とターゲット細胞の同定を行った。
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Research Products
(6 results)