2016 Fiscal Year Research-status Report
マウスにおいて血糖降下作用を示すステロイド配糖体の探索とメカニズムの研究
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16K18901
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| Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
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Principal Investigator |
松尾 侑希子 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (70434016)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | ステロイド配糖体 / トリテルペン / メタボリックシンドローム / 血糖降下作用 / 天然物 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病，高脂血症，高血圧などのメタボリックシンドロームの治療は食事療法や運動療法を基軸としながら，薬物療法も極めて有用である．しかしながら血糖管理は血圧や脂質の異常に比べて薬物治療による効果が得られにくいことが示唆されている．これは日本人の２型糖尿病の病態が不均一で薬剤の効果が限定的になるためと考えられており，多様な作用機序を持つ糖尿病治療薬の開発が期待されている．
トリテルペン配糖体は天然物由来の血糖低下作用の成分の１つとして多くの研究報告があり，in vivo実験でもその効能が認められている．近年，新たにステロイド配糖体の血糖低下作用も研究され，アグリコン部分だけでなく糖鎖構造も活性発現に関与することが報告されてきている．申請者はこれまでに高等植物のサポニン類に着目した成分探索・単離・構造決定を行ってきた．初年度である平成２８年度は申請者の有する化合物ライブラリーの中から，HL-60ヒト白血病細胞に対する毒性がなく，かつ収量の多いステロイド配糖体dioscinおよびトリテルペンcymbopogonolを用いて，in vivoでの血糖低下作用を評価した． DioscinをkkAyマウスに経口投与しスクロース負荷試験を行ったところ，血糖値の上昇傾向が認められた．このメカニズムについては今後検討する予定である．同様に，cymbopogonolおよびレモングラスエキスのトリテルペン含有画分をddY系雄性マウスに経口投与しスクロース負荷試験を行ったが，コントロールと比較して血糖値に変化は認められなかった．一方でcymbopogonolをddY系雄性マウスに経口投与後に脂質負荷試験を行ったところ，血清トリグリセリドの有意な低下が認められた．さらにin vitro試験により，このメカニズムは小腸管腔内におけるcymbopogonolの膵リパーゼ阻害作用によることが示唆された．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成２８年度の研究実施計画通り，研究を行った．
（１）糖負荷マウスを使った血糖降下作用の評価
ステロイド配糖体dioscinおよびトリテルペンcymbopogonolの血糖降下作用を評価した．その結果，血糖上昇傾向を示すステロイド配糖体を見出すことができた．この作用メカニズムは今後検討する予定である．Cymbopogolには血糖降下作用が認められなかった．
（２）マウス血清または血漿の採取
CymbopogonolをddY系雄性マウスに経口投与後に脂質負荷試験を行った．麻酔下開腹し腹部大静脈から採血した．その結果，血清トリグリセリドの有意な低下が認められた．さらにin vitro試験により，このメカニズムは小腸管腔内におけるcymbopogonolの膵リパーゼ阻害作用によることが示唆された．
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| Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り平成２９年度は各種酵素測定キットやELISA法を用いて，マウス血清中の血糖低下の関連因子を測定し，血糖降下作用のメカニズム解明を中心に研究を行う．ただし，今年度は化合物のスクリーニングが十分に実施できなかったので，引き続き血糖降下作用を示す化合物を見出していく．
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Research Products
(2 results)
