2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of anti-tumor prodrugs accumulating in tumor cells for tumor-selective chemotherapy
Project/Area Number |
16K18909
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
堂浦 智裕 東京薬科大学, 薬学部, 嘱託助教 (00745226)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | プロドラッグ / 化学療法 / プロドラッグモノセラピー / ドラッグデリバリーシステム / ナノ粒子 / 有機シリカナノ粒子 / EPR効果 / グルタチオン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、3-メルカプトプロピル(ジメトキシ)メチルシラン(MPDMS)を加えて合成したチオール有機シリカナノ粒子は粒子内にジスルフィド結合を形成することを各種測定から明らかにし、また蛍光色素を含んだ製剤モデルナノ粒子を合成し、グルタチオン濃度の高いがん細胞内環境を模したグルタチオン共存下で製剤モデルナノ粒子が分解されて蛍光色素が放出されることを明らかにした。この結果はジスルフィド結合をもつチオール有機ナノ粒子が製剤に利用できる可能性を示唆するものである。また、ジスルフィド結合をもつチオール有機シリカナノ粒子の詳細な解析が共同研究者によって行われ、ジスルフィド結合をもつチオール有機ナノ粒子の表面化学に関する理解を深めることができた。 研究期間全体を通して、コンブレタスタチンA4(CA4)をモデル薬物としたプロドラッグを設計・合成し、beta-ガラクトシダーゼが卵巣がん細胞へのプロドラッグモノセラピーの標的酵素として有望であることを明らかにした。また、がん細胞を含むがん組織への薬物送達の選択性を高めるためにEPR効果に着目し、プロドラッグ送達のための運搬体としてチオール有機シリカナノ粒子に着目し、EPR効果を示すサイズのチオール有機シリカナノ粒子の効率的合成法を開発した。また、ジスルフィド結合を粒子内にもつチオール有機シリカナノ粒子を開発し、これがグルタチオン濃度の高いがん細胞内環境選択的に薬物を放出する薬物運搬体として有望であることを示した。これらのプロドラッグの設計からプロドラッグの運搬体の開発に及ぶ研究成果は、研究目的である「がん細胞選択的な化学療法の開発」に資するものであり、研究目的を一定程度達成したと考えている。
|
Research Products
(1 results)