2019 Fiscal Year Research-status Report
細胞内分子薬理に基づく新規尿酸生成抑制薬とプリンアナログの至適併用の確立
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16K18935
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
森田 美穂子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 医員 (40623872)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 相乗効果 / 抗腫瘍効果 / 細胞死 / XOD活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
白血病CEM細胞で研究を遂行している。 XTT assayにより、細胞増殖抑制を評価した。6MPのIC50は 0.9 μM、Febuxostatとallopurinolは100 μMの濃度でもIC50に達しなかった。これより6MPの抗腫瘍効果を確認した。 6MPとFebuxostatおよびallopurinolの併用効果を評価するためにcombination index (CI)を測定した。 6MPとfebuxostatの併用では0.114を呈し、6MPとallopurinolの併用でも0.119であり、いずれも明らかな相乗効果と確認できた。 細胞死を評価するためにアネキシンVを用いて、フローサイトメトリーを実施した。6MPと両XOD阻害薬(febuxostatおよびallopurinol)併用でアポトーシスの増加は認めなかった。 XOD活性測定として、キサンチンオキシダーゼ蛍光分析を行い、浮遊細胞においてもXOD活性の検討が可能なことを確認した。コントロールのXOD活性は 84 μU/mlであった。febuxostat存在下での2,6,24時間でのXOD活性はそれぞれ74.7 μU/ml、 67.8 μU/ml、45.8 μU/mlであった。同様にallopurinol存在下でのXOD活性は2,6,24時間でそれぞれ71.0 μU/ml、60.8 μU/m、55.0 μU/mlであった。allopurinolの6時間XOD活性は、febuxostatよりも強力なXOD阻害作用を示唆し、これはオキシプリノールの作用によると考えられた。24時間値のXOD活性はfebuxostatはアロプリノールより長時間強力にXOD阻害活性を有することを示唆すると考えられた。また、6MPそのものは、XOD活性の6MPとの併用実験において、6MPそのものによるXOD阻害作用がないことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
XOD活性測定は、検出感度以下のごく微量であることも多く、測定に失敗することも多いため。 細胞死の検討においては、予想と異なる結果であり、再現実験を繰り返したり、その原因探求に時間がかかっているため。また至適実験濃度の設定にかかわる準備実験に難渋しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点ではアポトーシスの実験結果は、予想に反するものであったため、実験繰り返し、再現性を高める。 抗腫瘍効果、相乗効果と比して、アポトーシスにおいてなぜ想定外の結果になっているのか、多々の研究とも比較し検討を加える。 Febuxostatとアロプリノールのデータ比から、Febuxostatと6MPの併用時の指摘用量の換算が可能か検討する。 浮遊細胞での結果を踏まえて、肝細胞など固形細胞での検討も考慮する。
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Causes of Carryover |
当該年度において、通常臨床診療内での研究へのeffort比率が低下してしまい、実験の進捗がやや遅れたために、必要物品の購入などが当初計画より減少・不要であったため。 臨床業務を行いつつも、実験にかけるeffortを可能な限り当初の予定通り維持するように努力し、実験のスムーズな進捗をはかる。
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