2016 Fiscal Year Research-status Report
術後患者におけるデクスメデトミジンの体内動態および臨床効果の個人差要因の解明
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16K18936
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
八木 達也 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (70719575)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | デクスメデトミジン / 術後疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中枢性α2A受容体刺激薬デクスメデトミジンの体内動態や薬効、有害作用の変動要因の解明および薬効、有害作用の発現に基づくデクスメデトミジンの至適投与設計を構築することを目的として企画された。 平成28年度は、倫理委員会の申請、患者エントリー、デスクメデトミジンおよび関連する生体内物質の血中濃度測定を行う予定であった。 平成28年度においては、浜松医科大学臨審査委員会に研究申請を行った(15-045)。患者エントリーの状況としては、42名より同意を取得し、35名より採血を実施している。採血を行ていない7名については、OPE前に研究説明を行い、同意を得たが、OPE後デクスメデトミジンの投与が行われなったため、採血を中止した。 デクスメデトミジンおよびBDNFの血中濃度については、現在患者検体での測定を行っている。平成28年度は、5症例において、血中濃度およびBDNF濃度の測定を行った。両血中濃度においてばらつきを確認することができたが、変動要因については解明できていない。5症例のみではあるが、予測していた通り、個体間変動が確認できており、それらと薬効・有害作用の関連を確認することが有意義であることを示唆している。また、他の生体内物質として、ノルアドレナリン、ドパミン濃度を測定する予定であったが、測定方法の探索等を行い、測定を行う環境が整いつつある。ドパミン、ノルアドレナリン濃度は、血中デクスメデトミジン濃度の個体間変動と有害作用、薬効の関係を説明する上で重要となるパラメータとなりうるため、測定を継続していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エントリー患者数は80症例を予定していたが、42症例の同意にとどまっている。除外基準にあたる患者や術後投与時間が短いなどの理由から目標であった。80症例に到達できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、患者エントリーおよび各種血中濃度の測定を継続していく。 また、今年度は、平成29年度の予定であった、薬効および有害作用の評価を予定通り行っていく。さらに、ARD2の遺伝子変異を解析していく。 得られた成果については、国内外の学会にて発表を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、血中デクスメデトミジン濃度をはじめ、BDNF、ノルアドレナリン、ドパミン濃度などを測定する予定であったが、すべての測定を行えていないために次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
患者エントリーの人数を追加し、かつ、平成28年度で測定できなかった各種血中濃度の測定を行っていく。
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