2017 Fiscal Year Research-status Report
術後患者におけるデクスメデトミジンの体内動態および臨床効果の個人差要因の解明
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16K18936
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
八木 達也 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (70719575)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | デクスメデトミジン / 術後疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢性α2A受容体刺激薬デクスメデトミジンは、術後患者において鎮痛鎮静以外にも術後せん妄発現防止効果も有する。その一方で、有害作用として血圧変動や徐脈などが発現する。デクスメデトミジンによる臨床効果や有害作用には個人差があるにも関わらず、各患者での用量調節は行われていない。これら個人差要因を解明することは安全かつ有用な術後鎮静管理に貢献できる。 本研究では、①術後患者におけるデクスメデトミジンの体内動態とその変動因子について探索し、②その変動因子とデクスメデトミジンの血圧変動および神経保護作用をはじめとする臨床効果の関係を明らかにするとともに、③デクスメデトミジンによる血圧変動および臨床効果に基づく至適投与設計の確立を行うことを目的とする。 平成29年度は、薬物受容体(ARD2)の遺伝子変異について解析すること、併用薬剤、RASS、BIS、CAM-ICU、RCSQとデクスメデトミジンおよびBDNFの血中濃度や遺伝子解析の関係について評価を行うことを予定した。 昨年度測定できていなかった残りの患者の血中デクスメデトミジン濃度の測定は完了した。 遺伝子変異に関しては、既報を参考に2か所の変異を確認する環境が整った。また、薬物受容体のみならず薬物代謝酵素の遺伝子変異に関しても確認する準備も整っている。また、エントリーされた全患者(35名)のうち、25名の併用薬剤、RASS、BIS、CAM-ICU、RCSQのデータに関しても患者カルテより抽出済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ARD2受容体の遺伝子変異まで確認する予定であったが、変異部位の選定に時間がかかり、確認する変異部位の決定までにとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、平成29年度に抽出できなかった併用薬剤、RASS、BIS、CAM-ICU、RCSQのデータに関しても患者カルテより抽出を行い、薬物動態パラメータの算出および有害作用、有効性に関して解析を行っていく。さらに、ARD2および薬物代謝酵素の遺伝子変異に関しても確認していく。
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Causes of Carryover |
ARD2受容体の遺伝子変異を確認することを目的とした、プライマーや制限酵素などの購入を昨年度行っていないことをはじめとする研究の遅れが影響している。
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