2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation for factors affectiong on tissue distribution of drugs under hypothermia
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16K18947
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮元 敬天 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 助教 (20619481)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低体温療法 / タンパク結合 / バンコマイシン / 虚血再灌流 |
Outline of Annual Research Achievements |
低体温時における薬物の組織移行性変動要因の解明のため、薬物とアルブミンの結合に及ぼす温度低下の影響を評価した。アルブミンの薬物結合部位のsite Iに結合する薬物であるPhenolsulfonphthalein(PSP), Indomethacin(IMN)を用い、平衡透析法により薬物のタンパク結合を評価した。各温度(37℃、32℃、28℃)で18時間透析したのちに、透析膜内と透析膜外の薬物濃度を紫外可視吸光光度計により定量し、タンパク結合型・遊離型薬物濃度を求め、薬物の遊離型分率(fu)を算出した。またScatchard plotを用いて結合定数(K)および結合部位数(n)を算出した。 25μMのPSP溶液を用いた際のfuは37℃では28.7%であったが、32, 28℃では25.7%、24.7%であり、低温において有意に減少した。またScatchard plotを作製したところ二相性となり複数の結合部位が存在することが考えられた。低濃度領域におけるScatchard plotより算出したKは低温時に減少したが、nは変化しなかった。このことより、PSPとアルブミンの親和性が低温時に変化したことで遊離型分率が減少したと考えられた。一方、IMNのfuは温度低下の影響は見られず、Kやnも変化しなかった。 以上より、温度低下が薬物のタンパク結合に与える影響は薬物とタンパクの結合様式によって異なることが考えられ、温度低下による組織移行性変化はタンパク結合の様式によって異なることが示唆された。
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Research Products
(6 results)