2018 Fiscal Year Annual Research Report
Strategic formulization of nobiletin to improve its biopharmaceutical properties for COPD treatment
Project/Area Number |
16K18950
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
佐藤 秀行 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (70739242)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 難水溶性化合物 / 吸入粉末剤 / 溶解性改善 / ポリフェノール / 炎症性肺疾患 / COPD |
Outline of Annual Research Achievements |
柑橘類の皮から発見された難水溶性ポリフェノールの一種であるNobiletin (NOB) は 「炎症」「酸化ストレス」「組織の線維化」「アポトーシス」の抑制作用を有しており,これらはCOPD 病態に密接に関与している.本研究では,NOB の作用を効果的に発現可能な(1) 高溶解性・高分散性の粉末吸入製剤を設計・開発,(2) COPD モデル動物にてその効果を実際に検証し,「気道炎症改善」「肺線維化抑制」及び「病態進行抑制」の3 者を同時に達成することで,新しい機序を有する治療薬の創出に寄与する研究である.本研究は,今後患者数の爆発的な増加が予測されているが,未だ対症療法のみしか提示されていない慢性閉塞性肺疾患(COPD) に対し,有効かつ効率的な治療法の戦略的開発を最終的な目標とする.本研究においては難水溶性ポリフェノール類である NOB に加えて Quercetin (QUE) をモデル化合物として扱い,非晶質固体分散体,ナノ結晶固体分散体,自己ミセル形成固体分散体等の技術を用いた溶解性の改善により,これら化合物の生物薬剤学的特性を大幅な向上に成功した.更に,有用性を見出したこれらの製剤処方と異分野技術となるプリンタ技術を発展的に組み合わせることによって極めてユニークな粉体特性を有する新規製剤を開発した.以上の知見より,今後の機能性食品・医薬品等への発展的応用が期待される興味深い知見を見出した.
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Research Products
(12 results)