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2016 Fiscal Year Research-status Report

光刺激応答性リポソームを用いたがんのセラノスティクスに関する基盤研究

Research Project

Project/Area Number 16K18952
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

田上 辰秋  名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 講師 (10609887)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsリポソーム / 刺激応答性 / DDS / 近赤外線 / がん / トリガーリリース
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、がんのセラノスティクスに有用な、光刺激応答性リポソーム製剤に関する研究をすることが目的である。コンセプトとしては、次の通りである:開発したリポソームを患者に投与し、患部であるがん部位にレーザー照射をすると、がんに蓄積しているもしくはがん部位を通過するリポソームがレーザーに応答して、薬物を放出するというものである。がん組織においてリポソームから放出される薬物はイメージングされ、がん組織に蓄積した薬物量から治療効果を予測し、最善の治療策を立てれる、といった利点がある。

本年度は、その計画に先立ち、新しい光刺激応答性リポソームの開発を行った。リポソームに水溶性薬物で光増感剤でもあるレザフィリンを含有させたリポソームを作成した。そのリポソームに近赤外線を照射することにより、同時に封入していたカルセイン(蛍光マーカー、モデル薬物)を放出させることに成功した。薬物の放出は、検討の結果、リポソームの構成成分に大きく影響することが明らかとなった。リポソーム構成成分にDioleoylphosphatidylethanolamine(DOPE)を少量含有させることにより、光刺激に対するリポソームからの薬物放出の感受性は顕著に増大した。次に37℃条件下(体温を想定)におけるリポソームの安定性を検討した。DOPEをリポソーム構成成分に添加する量に比例して薬物漏出量が増大するという結果が得られた。漏出しすぎる薬物量を調整するため、リポソーム内にコレステロールを加えることにより、光刺激に応答し、かつ37℃においても安定なリポソーム製剤を調製することに成功した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の目標に掲げていた、近赤外線レーザー刺激応答性の抗がん剤(今回はモデル薬物)/光増感剤リポソームの開発を行い、一定の成果を見出した。今後、実際の抗がん剤における再調整が必要である(予備検討結果では、うまく検討できているが。薬物封入に関する実験条件について再調整が必要であると考えている)。全体的にみると、現段階の研究計画の進行において、大きな問題はないと思われる。

Strategy for Future Research Activity

今後は、リポソーム内部に封入する薬物を実際に使用されている抗がん剤に切り替え、同様に薬物が放出されるか検討を行う。いくつかの抗がん剤において、予備検討により、放出を確認しているが、薬物封入条件について、再度調整を行う。がん細胞株を用いた細胞培養実験を行い、光刺激したリポソーム製剤が、どのように殺細胞効果を示すか検討を行う。同封しているレザフィリン自体にも治療効果があるため、二つの抗がん剤のコンビネーションによりどのような有用な殺細胞効果が期待できるか、検討を行う。

蛍光イメージングに有用な金ナノクラスターの検討を行う。金ナノクラスターの調製条件を変更したり、使用するタンパクを変更することで、光を照射したときに金ナノクラスターの蛍光パターンに影響があるのか、検討を行う。余力があれば、細胞実験を行い、金ナノクラスターの細胞内取り込み、蛍光特性の確認などを行う。調製した金ナノクラスターのリポソーム内への結合および封入を検討する。

Causes of Carryover

一部の研究内容において、次年度に持ち越すものがあるため、物品費(試薬代:抗がん剤など)として持ち越すこととした。

Expenditure Plan for Carryover Budget

リポソームを調製するための試薬代として使用する予定である。

Remarks

現在ホームページにて作成中

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 近赤外線レーザー応答性Doxorubicin/ Laserphyrin共封入PEG修飾リポソーム製剤の開発2016

    • Author(s)
      布施 俊樹、安藤 睦美、田上 辰秋、尾関 哲也
    • Organizer
      第32回日本DDS学会学術集会
    • Place of Presentation
      グランシップ(静岡県静岡市)
    • Year and Date
      2016-06-30 – 2016-07-01

URL: 

Published: 2018-01-16  

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