2017 Fiscal Year Research-status Report
経口摂取不可能なせん妄・抑うつ患者に対するミアンセリン坐剤の開発
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16K18958
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
縄田 修一 昭和大学, 薬学部, 講師 (10744386)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高齢者 / ミアンセリン坐剤 / 薬物動態試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、実際の患者さんにミアンセリン坐剤を使用するにあたって、主な使用対象になると想定される高齢者を対象とした薬物動態試験を実施した。方法および結果、考察は以下のとおりである。結果は、日本医療薬学会第27回年会にて発表を行った。 【方法】ミアンセリン坐剤は、ホスコ®H15を基剤としてテトラミド®錠粉砕物0.2g(20mg成分)を混合し、1.4g/個に調製した。薬物動態試験は、縄田らの行った健康成人男性における薬物動態1)を確認後、健康高齢男性3名を対象にパイロット試験を実施した。血中濃度は、投与前、投与0.5, 1, 2, 4, 6, 8, 10, 24, 36, 48時間後に採血した。GS-MSで測定をした。血中濃度測定と同時に被験者の鎮静状況を調査した。なお、本研究は倫理委員会の承認(B-2016-015)を得て、UMIN臨床試験(No.000026579)に登録の上、実施した。 【結果】健康高齢男性の薬物動態は、最高血中濃度(Cmax)7.0 ± 1.4 ng/mL、最高血中濃度到達時間(tmax)14.7時間、AUC0-∞ 224.9 ± 35.9 h・ng/mLであった。血中濃度に相関した鎮静作用は認められなかった。 【考察】ミアンセリン坐剤の健康高齢男性の薬物動態は、健康成人男性での投与量(30mg)に補正して比較すると、健康成人男性よりCmaxは低く、tmaxは延長し、AUC0-∞は約60%であった。ミアンセリンの高齢者の薬物動態は、成人と比較して経口投与ではAUCは上昇するが、直腸投与ではAUCの低下が認められたため、直腸からの吸収に違いがあると考えられる。今後、経口摂取不可能な患者におけるせん妄や抑うつ状態に対する治療効果を検証する試験を予定している。 1)J Pharm Health Care Sci. 2016 May 17;2:12
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、健康高齢者男性を対象とした薬物動態試験の結果の論文化をすすめているが、投稿先の検討などに時間を要し、現時点でアクセプトされていない状況である。 当初予定していた実際の抑うつ状態やせん妄状態の経口投与が不可能な患者に対するミアンセリン坐剤の投与を行う臨床試験の実施には、上記結果の論文化が必須であることから、現段階で実施できていない。そこで、早急に論文化を実施し、実際の患者への適応を行う臨床試験を計画する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は、緩和ケア病棟や一般病棟でリエゾンチームにコンサルトのあった抑うつ患者またはせん妄患者に対して、経口摂取が不可能な場合にミアンセリン坐剤を投与するための臨床試験の申請を行っていく。実際に血中濃度の測定が可能な患者については、臨床効果と血中濃度の相関性を検討し、測定が困難な患者についても効果発現までの期間や症状改善の程度を評価する。
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Causes of Carryover |
<差額が生じた理由> 健康高齢成人を対象にした臨床試験に必要な経費を事前に打ち合わせ等から100万円程度と見込んでいたが、実際は、53万円程度だったため、差額が生じた。また、実際の患者を対象とした臨床試験の実施が遅れているためその分の経費が計上できなかった。 <次年度の使用計画> 次年度は、患者を対象とした臨床試験の審査に50万円程度がかかることが予測されるためその経費および学会等での情報収集、坐剤作成経費、論文作成経費として使用することを計画している。
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Research Products
(1 results)