2017 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive analysis of influencing factor of effect/adverse effect for anti-cancer drug using virtual clinical study
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16K18972
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
年本 広太 国立研究開発法人理化学研究所, イノベーション推進センター, 特別研究員 (70740504)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 薬物動態学 / モデリング&シミュレーション / 遺伝子多型 / 仮想臨床試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に構築したクラスターニュートン法による生理学的薬物速度論(PBPK)モデルのパラメータ推定およびそれを用いた仮想臨床試験プログラムを用いて薬効・副作用の影響因子を特定する方法論を構築すべく、乳がんに処方されるホルモン療法剤タモキシフェンの仮想臨床試験を実施した。タモキシフェンは、CYP2D6の遺伝子多型を有する患者において薬効が低下することが知られている。現在CYP2D6の遺伝子多型を有する患者を通常投与量(20 mg/day)と増量(40 mg/day)した2つの群に分け投与を行い、その効果の差を検証する臨床試験(Tamoxifen Response by CYP2D6 Genotype-based Treatment-1 [TARGET-1] Study)が行われ、その結果が年内に公開予定である。そこで、公開前に同様の試験デザインによる仮想臨床試験を実施することにより、TARGET-1 Studyの結果を事前に予測する試みを行った。タモキシフェンは活性代謝物を有しておりそのPBPKモデルは複雑であることから、パラメータ推定アルゴリズムとしてクラスターニュートン法を用い、既報の血中濃度推移を良好に再現できるパラメータを探索することに成功した。また、仮想臨床試験を実施した結果、通常投与量群と増量群との間での薬効の有意差は、およそ40-50%の確率でしか見られないという結果が得られた。これは、各群において活性代謝物の濃度の個人間変動が大きいことが原因と考えられた。
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Research Products
(9 results)