2017 Fiscal Year Research-status Report
精母細胞に於いて miR-34c と共局在する因子の探索とその意義の解析
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16K18979
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
遠藤 大輔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (90516288)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超解像顕微鏡 / 共局在 / 免疫沈降 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度にはジゴキシゲニン標識されたオリゴDNAを用いた in situ hybridization 法により、精子形成細胞に於いて減数分裂開始とともに発現する microRNA である miR-34c の細胞内局在を photoactivated laser microscopy 法により 50 nm という解像度で明らかにする手法を確立した。すでに mRNA に対する in situ hybridization の結果を超解像顕微鏡を用いて同様の解像度で解析する手法、2種の RNA を異なる標識を用いて同時に検出する方法は確立されているため、これにより、 microRNA と標的候補遺伝子の共局在を解析することが可能となった。 そして現在までの解析により miR-34c はパキテン期精母細胞の細胞質内に雲上に散在するのみならず、核内にもクラスターをなして存在していることが明らかとなっている。ribosomal RNA との二重染色により、核内に於いては miR-34c と 28S rRNA が同一の領域に局在していることも明らかとなった。このことは miR-34c が核小体領域にストックされ、標的 mRNA の核外移行の制御をしている、あるいは新規 RNA の発現が抑制される精子変態過程以降に機能を果たすために保存されているといった microRNA の新しい機能、制御機構を示唆する結果であり大変興味深い。現在、核小体構造タンパク質に対する免疫組織化学と microRNA に対する二重染色により、核小体内のどの領域に局在しているのか詳細に解析を行っている。これらの結果は第 58 回日本組織細胞化学会総会・学術集会に於いて発表され、最優秀演題賞を獲得するなど高く評価された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度後半より研究代表者がうつ病を発症し、研究の遂行がやや困難となっているため、当初の予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度5月に休職の申請を行っているため、回復を待って後、平成29年度の遅れも含めて研究を着実に遂行していく。研究の基盤となる手法の確立にはすでに成功しているので、実験可能な状態になれば成果を上げることができると考えられる。
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Causes of Carryover |
平成29年度後半より申請者のうつ病の発症により研究の遂行に後れをきたしたため、使用額が少なくなった。現在休職に入るため、回復後研究を遂行する。また、平成29年度までの研究は手法の確立が主であったため、試薬を大量に消費することが少なく、また発表の回数も少なかったが、データを取る段階に入るにあたり、試薬の消費量、発表に関する経費も増加すると考えられる。
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