2017 Fiscal Year Research-status Report
グレリンが環境変化適応性覚醒反応を起こす脳内メカニズムの解明
Project/Area Number |
16K19004
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
金 主賢 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 講師 (00635146)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 睡眠・覚醒 / グレリン |
Outline of Annual Research Achievements |
脳-腸ペプチドであるグレリンの中枢投与は覚醒作用を示し、一方その受容体欠損は環境変化適応性覚醒反応を選択的に消失させる。環境変化に対する適応反応や注意、認知反応には適切な覚醒レベルの維持が必須であり、上記の先行報告は覚醒反応におけるグレリンシグナリングの重要性を示唆する。昨年度は環境変化適応性覚醒反応の脳内調節機構におけるグレリンの役割を解明することを目的として、覚醒中枢のニューロンに対するグレリンの作用機序についてラット脳スライスを対象としたパッチクランプ法で検証を行い、グレリンが覚醒中枢の一部である結節乳頭核ヒスタミン含有ニューロンに対して後シナプス性の脱分極作用を示し、その作用機序の詳細を明らかにした。今年度は細胞内カルシウムイメージング法を用いた検証により、同じく覚醒中枢の一部である青斑核領域の細胞の細胞内カルシウム濃度を上昇させること、そのグレリン誘導性細胞内カルシウム濃度上昇には細胞内ストアおよび細胞外から細胞質への流入出によるものであることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、本学の組織改組により生じた担当委員業務の激増により、本研究エフォートを大幅に削減するとなった。グレリンの覚醒中枢ニューロンに対する作用の検討を一部実施したが、予定していた行動実験に着手するに至らなかった。したがって、進捗状況としては、 やや遅れている、と判断した。1年間の期間延長により研究計画を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はグレリンまたはグレリン受容体拮抗薬の脳局所投与および睡眠・覚醒状態判別を用いたin vivo実験による検証を行い、グレリンが覚醒中枢ニューロンに及ぼす作用が動物の睡眠・覚醒行動にどのような影響を与えるのかを検証することで、グレリンの生理的役割を解明していく。
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Causes of Carryover |
今年度は、本学の組織改組により生じた担当委員業務の激増により、本研究エフォートを大幅に削減するとなった。グレリンの覚醒中枢ニューロンに対する作用の検討を一部実施したが、予定していた行動実験に着手するに至らなかった。したがって、進捗状況に遅延が生じたため、1年間の期間延長により研究計画を実施する。 次年度はグレリンまたはグレリン受容体拮抗薬の脳局所投与および睡眠・覚醒状態判別を用いたin vivo実験による検証を行い、グレリンが覚醒中枢ニューロンに及ぼす作用が動物の睡眠・覚醒行動にどのような影響を与えるのかを検証することで、グレリンの生理的役割を解明していく。
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