2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K19032
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
李 春 名古屋大学, 高等研究院(理), 特任助教 (40755716)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 神経軸索 / C.elegans / JNK経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、(1)成長円錐形成におけるRHO-MLC-4シグナル経路の解析 について、MLC-4が本当にLET-502によってリン酸化されているかどうか、免疫蛍光染色法により検討した。まず、野生型とLET-502多量発現系統のそれぞれにおいて、抗リン酸化MLC抗体を用いて線虫内のリン酸化MLCを検出したところ、LET-502多量発現系統において発現神経における顕著な染色が認められた。さらに、軸索切断後の神経についても検討したところ、野生型において切断軸索の先端部に顕著なリン酸化MLC の染色を確認できた。さらに、線虫に複数あるミオシン重鎖のうち、神経軸索再生に関与するものを探索した結果、一つの遺伝子の変異により軸索再生率が顕著に低下することを見出した。この表現型はリン酸化ミミック型MLC-4の発現により抑圧できなかったことから、このミオシン重鎖はMLC-4の下流で機能すると推測される。(2)成長円錐形成におけるJNK経路と細胞骨格との関係 については、転写因子FOS-1の標的因子の探索と候補因子のテストを順次進めている。(3)細胞骨格制御タンパク質による神経軸索制御機構の解析 については、新たにJNK経路の下流で機能する因子Aを見出した。その因子Aはアクチン結合タンパク質であり、JNK経路の変異体の神経軸索再生率の低下は抑圧できるが、単独の変異にした場合には野生型と比べて再生率の上昇は観察されなかった。このことから、このタンパク質はJNK経路の活性化により生じるシグナルを、その活性上限の枠内で抑制する役割を持つ因子と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
JNK経路を新たな様式で負に制御する新規因子の発見もできたことから、進捗状況は十分満足できるものと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのところ順調に進んでいるので、今後も(1)成長円錐形成におけるRHO-MLC-4シグナル経路の解析2)成長円錐形成におけるJNK経路と細胞骨格との関係 (3)細胞骨格制御タンパク質による神経軸索制御機構の解析 のそれぞれについて、昨年度の研究結果を踏まえつつ同時並行で進めてゆく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Chaperone complex BAG2-HSC70 regulates localization of Caenorhabditis elegans leucine-rich repeat kinase LRK-1 to the Golgi2016
Author(s)
Fukuzono T, Pastuhov SI, Fukushima O, Li C, Hattori A, Iemura S, Natsume T, Shibuya H, Hanafusa H, Matsumoto K, Hisamoto N.
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Journal Title
Gene Cells
Volume: 21
Pages: 311-324
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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