2018 Fiscal Year Annual Research Report
Search for mitochondrial division inhibitors and elucidation of mechanism of action
Project/Area Number |
16K19039
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
栗原 悠介 福岡大学, 医学部, 助教 (30747192)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアの融合と分裂のバランスは細胞機能に大きく影響し、融合が亢進すると細胞増殖が促進され、逆に分裂が亢進すると細胞死が誘導される。ミトコンドリアの分裂はダイナミン様GTPaseであるDrp1によって仲介されるが、近年、神経変性疾患がDrp1の異常活性に起因するという報告が多くされている。例えば、アルツハイマー病では、アミロイドβの蓄積によるDrp1の異常活性化がミトコンドリアの分裂亢進を介して、神経細胞の細胞死を誘導する。そのため、ミトコンドリア分裂の制御は、ミトコンドリアの異常分裂に起因する疾患に対する治療薬開発の標的となる。本申請では、ハイスループットスクリーニングにより、ミトコンドリア分裂の阻害剤を同定することを目的としており、また、そのスクリーニング系の特色から、Drp1 の活性に対する阻害剤のみならず、その上流あるいは下流で関わるOverallなミトコンドリア分裂阻害剤を同定出来る可能性がある。同定された化合物は、神経変性疾患を始めとするミトコンドリア分裂に関わる多くの疾患の治療薬開発への道が拓かれるのみならず、ミトコンドリア分裂分子機構の解明において貴重な解析手段になる。また、本研究計画の1次スクリーニングでは、東京大学が化合物の構造や性質を考慮して独自に厳選した9600の化合物コアラブラリーを使用している。 1次スクリーニングの結果、7種の化合物を絞り込むことができた。現在は、それら7種の化合物を含めた新たなライブラリーの構築を試みている。新たなライブラリーを利用した2次スクリーニングでは、よりミトコンドリア分裂阻害能が強く、細胞毒性の低い事に加え、ミトコンドリア膜電位の上昇とミトコンドリア含有量の増加を新たな基準として設けた。2次スクリーニングで同定された化合物は、その作用機序を明らかにし、最終的には疾患モデル動物への効果を検証する。
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