2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study of lipid metabolism by Bcl6 and application for drug discovery
Project/Area Number |
16K19060
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
近田 裕美 東海大学, 医学部, 特定研究員 (60712776)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脂質代謝異常 / 高脂肪食負荷 / Bcl6 / 非アルコール性脂肪性肝炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝臓特異的Bcl6欠損マウス(Bcl6 liver specific knockout, Bcl6-LKO)肝臓の網羅的遺伝子発現解析から、Bcl6は肝臓の遺伝子発現パターンの性差の維持に必要であることが示唆された。このとき、血中性ホルモン濃度はWTとBcl6-LKOで同等であったことから、Bcl6の遺伝子発現の性差制御はエストロゲンやアンドロゲンといった性ホルモンのシグナルとは独立している可能性が考えられた。 脂質代謝異常症に起因する病態として、実験食負荷により、実験的に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を誘導するモデル系を用いて、Bcl6と病態発症との関連性について、病態の性差も考慮して検討した。コリンとメチオニンの不足した高脂肪食(A choline-deficient, L-amino acid defined high fat diet)を38週間の長期に渡って給餌した結果、WTでは肝臓への脂質蓄積、肝炎症、腫瘍形成が認められたのに対して、Bcl6-LKOではいずれも抑制されていた。さらに、腫瘍形成はWTオスでのみ顕著に認められ、WTメスではほとんど認められなかった。これらの結果から、Bcl6は腫瘍形成を伴うNASH発症に重要な機能を有するとともに、病態発症の性差にも関与する可能性が考えられた。Bcl6の下流で発現制御を受ける遺伝子群を検索した結果、脂肪酸合成系の酵素であるElovl3を同定した。Elovl3はオス優位に発現する遺伝子であり、Bcl6欠損でメスレベルまで発現低下していた。以上のことから、Bcl6はElovl3の発現制御を介して、腫瘍形成を伴うNASH発症および病態性差に関与する可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)